感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
28
稽古部屋の手書き見取り図と解説が愉しい決定版。タイトルに【物語】とあるように“部屋”の歴史を著者が丹念に聞き取り、紙面糊しろいっぱい展開しています。稽古内容、伝統、門限、こだわりの内装、、各部屋の特色がよく捉えられていました。親方から語られる弟子たちへの想いも熱く、上も下もない一丸とした団結力に打たれます。はみ出しネタもたまりません。ユーレイが出るとかタレント犬を引き取ったとか、相撲部屋雑学がてんこもり。巻末にある稽古見学ガイド(各部屋のルール)を参照の上、現地に赴きたいですね。2020/04/10
gtn
27
子供の頃から元小結大潮関のファンだったので、彼が創設した式秀部屋に思い入れがある。今は元前頭の北桜が後継。弟子の「一日1ミリの成長がうれしい。0.1ミリかもしれない。でも長い目で見ている」という苦労人ならではの彼の言葉に、先代精神の継承を感じる。なお、朝日山部屋の親方は元関脇若二瀬、伊勢ノ海部屋は元関脇藤ノ川、二所ノ関家屋は元関脇金剛と、未だに先代、先々代の顔を思い浮かべてしまう。歳を取った。2022/04/13
ようはん
16
各相撲部屋の稽古場をイラスト入りで紹介。どの部屋もそれぞれに特色がありエピソード満載であるが、部屋を創始した親方や親方の師匠筋等の親方の写真を飾る部屋が多く先人への敬意を重じているのが印象的。2020/07/02
Yuuki.
15
間取りに見開き1ページ、取材内容に見開き1ページ使って各部屋を紹介。部屋によって個性が出る間取り。テッポウ柱の数も、飾ってある物も、風呂場の作りも部屋それぞれで、本当に面白い!生では見る事が出来ないし、テレビなんかでも稽古中の土俵周りくらいしか映らないので、一般人には目にする機会の無い部屋の詳細が知れるなんて楽しすぎる!取材による読み物のページは綺麗事ばかりでなく、スキャンダルの話にも触れていてリアルなエピソードが書かれていて興味深い内容がたくさん。この本、めちゃくちゃ気に入った。2021/05/09
ピオリーヌ
9
雑誌相撲にて足掛け四年間連載された企画に、加筆したもの。各相撲部屋のイラスト、取材のエピソードどちらも面白い。それぞれの師匠、相撲部屋のカラーが巧みにに描き出され、稽古見学に行きたくなる一冊。お薦め。高田川親方の「藤島親方は努力の人で、努力で相撲を編み出した。前の山関は相撲の天才。現役をやめてから、ああそうなんだと思うことがいっぱいあって、勉強になった」このエピソードが印象に残る。2020/07/10