内容説明
“裏方”と呼ばれがちな行司・呼出し・床山は、大相撲を支える縁の下の力持ちであると同時に、実は大相撲にはなくてはならないもう一つの“花形”。本書では伝統文化を支えるこの三職の成り立ちや装束、仕事について、歴史をひも解きながら詳しく紹介しています。この一冊を通して、知れば知るほど楽しい大相撲の世界を行司・呼出し・床山の視点から新たに発見してみてください。
目次
第1章 行司(行司の歴史;行司の装束;行司の仕事…土俵;行事の仕事…相撲学;行事の仕事…場内放送;行事の仕事…巡業;行事の仕事…その他)
第2章 呼出し(呼出しの歴史;呼出しの装束;呼出しの仕事…呼び上げ;呼出しの仕事…土俵づくり;呼出しの仕事…水つけ;呼出しの仕事…懸賞幕;呼出しの仕事…太鼓;呼出し会)
第3章 床山(床山と髪型の歴史;床山の仕事…髪結い)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
101
行司、呼出し、床山のその意外と多岐にわたる仕事。大相撲の中で力士が主役であるのに対し彼らなくしてその伝統は成り立たない。衣装、いや装束や口上、所作をその歴史と共に多くの写真でわかりやすく書いてある。力士の水つけをしていた呼出し君が三段目、幕下の呼び上げをしているのを見たり、裸足でやっていた行司君が足袋を履き、さらには草履を履いて装束も華やかになっていく、そんな成長や出世を見ていくのも楽しい。さあ明日から3月場所が始まる。新しい視点で見るのは楽しみ。紹介してくれた読友さんありがとう。2024/03/09
佐島楓
62
写真を多数使用した丁寧な解説が見どころ。軍配や拍子木にも持ち主の個性や歴史がある。専門の職人さんに支えられた業界・仕事なのだということもよくわかった。やっぱり面白い世界だ。2019/07/02
糸車
25
面白い!父の影響で大相撲が好きで、行司さん、呼び出しさん、床山さんについても普通の人よりは知っているつもり。でもこういう一冊の本になったのを見たのは初めて。最初から順に読むよりぱらぱらめくって目に付いた項目をへえ〜、ほお〜と楽しむ♡裏方さん、と呼ばれるけれど、あの人たちがいなければ大相撲は成り立たないと改めて認識します。そして仕事中はもちろん、オフのくつろいだ写真が多いのがグッドです。なにげにかっこいい。図書館本なんですが、手元に置きたい。2019/10/30
Yuuki.
12
めちゃくちゃ面白かった!テレビや会場で見ているだけでは分からない行司さんや呼出しさんの仕事、見たことも無いような床山さんの道具…さらにはそういった人たちが使っている道具を作っている職人さんたちにまでスポットを当て、長年相撲ファンを名乗ってきたのに、知らなかった事だらけの1冊だった!2024/02/14
ようはん
12
大相撲では裏方の立ち位置にいる行司・呼出し・床山の仕事内容について懇切丁寧かつ分かりやすく説明している良書。袴や太鼓といった仕事道具に関しても製作する職人の仕事振りが紹介されており、総じて大相撲が長い伝統を持つ職人芸の世界であると感じる。2020/06/06