内容説明
人生に誠実たれ。横綱とは。人間とは。生き方の本質がここにある。双葉山、没後50年。
目次
第1章 ゆくて遙かに
第2章 立浪部屋
第3章 同門の人びと
第4章 ひとすじの道
第5章 相撲のこころ
第6章 双葉山道場
第7章 力士と条件
第8章 交わりの世界
本書に寄せて 単純だからこそむずかしい―相撲が教えてくれるもの(第四十八代横綱 大鵬幸喜)
著者等紹介
双葉山[フタバヤマ]
第35代横綱。本名は穐吉定次(あきよし・さだじ)。1912年2月9日生まれ。大分県宇佐市出身。27年初土俵。31年新十両、翌年入幕。36年5月初優勝し、場所後大関へ。37年5月場所後横綱に昇進。36年1月場所から39年1月場所まで不滅の69連勝(この間5場所連続全勝優勝。年2場所“1場所11日・13日制”時代)。国民的英雄となり「双葉の前に双葉なく、双葉の後に双葉なし」と謳われた。41年許されて現役中に双葉山道場を開設。45年引退、年寄時津風を襲名。57年相撲協会理事長に就任、数々の改革を断行、協会運営に尽力した。68年12月16日、劇症肝炎のため死去、享年56(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
48
「双葉山はそんなに強い力士ではない。どの相手よりもただ一枚強いだけだ」この言葉からもわかるように基本であったり相撲への姿勢であったり、強者の中から少しの差で抜ける。その少しの差こそ品格なのかもしれない。2022/07/20
Hiroki Nishizumi
3
不思議なもので文章からその時代が想像できる。大鵬が解説してある通り同じ言葉でも受け手のれべるによって意味合いは千差万別。これは急所だな。2022/07/09
ひらぐち
1
ついにここまでくると自分も相撲マニアになったなと思う。最初から体に恵まれているよりも地道に力をつけた方が良い。これは相撲以外のスポーツや仕事にも通ずる気がする。最初から上手く行くとやり方を変えようとしない。上手くいかないからやり方を考える。成功体験に固執しないのではないだろうか。双葉山の相撲ってどんな相撲だったんだろう。2021/09/09
kanata
1
昨今の大相撲問題とはまったく関係ない理由から読了。相撲に対する知識が皆無のため、その辺をしっかり勉強してから読んだ方がより話が入りやすかったと思うが、明治生まれの人とは思えないほど読みやすく、丁寧な文章から人柄を感じた。69連勝など偉大な力士にも関わらず、相手との力量差は少ないと認識し、「受けて立つ」姿勢。安岡正篤から学んだ「木鶏」の話。 最後の本書に寄せてにある大鵬幸喜の言うように死ぬまで勉強なのだろう。相撲以外にも通じるので相撲ファンや力士でなくとも学ぶところがあるはず。 「イマダ モッケイタリエズ」2019/01/16
kumax
0
双葉山の生い立ち、指導者としての心構え、非力でありながら横綱としての姿勢、振る舞い方などをさりげなく語っている。「どの相手よりもただ一枚強いだけ」と評されていたようだが、そんな彼が相撲の神様と呼ばれるようになったのはまさに横綱としての品格を備えていたからだろう。特に「人気に酔わぬ」という心構えは彼が横綱に昇進して周囲がチヤホヤ騒ぐなか、騒がれれば騒がれるほど自己に鞭打って稽古一途に進むほかなかったと言い切っている。メンタルの強さも横綱として備えねばならない要素なのだ。2025/08/15