目次
語り継がれる一日
早稲田大学(飛田穂洲の決断;好敵手との対戦;思い出の記)
慶應義塾大学(小泉信三の理念;海ゆかば)
昭和18年の原風景
著者等紹介
笠原和夫[カサハラカズオ]
1920年6月、大阪府生まれ。1939年に市岡中学(旧制)より早稲田大学に入学。在学中はキャプテンとしてチームを率いた。戦後、オール大阪を経て1948年に南海ホークスに入団。1954年、高橋ユニオンズ設立に伴い移籍。翌年からはプレイングマネジャーとしてチームの指揮を執った。1957年2月に大映スターズとの合併を機に退任。同時に現役からも退いた。引退後は、野球評論家として朝日放送、ラジオ関西などで解説を担当した。1998年死去
松尾俊治[マツオシュンジ]
1924年8月、兵庫県生まれ。1942年に灘中(旧制)から慶應義塾大学に入学。捕手として活躍した。卒業後は毎日新聞社に入り、運動部記者、野球を担当。現在は毎日新聞名誉職員。六大学野球連盟規制委員、日本アマチュア野球規制委員、日本野球連盟参与、関東野球連盟顧問などを兼任する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kayak-gohan
5
昭和18年10月16日に東京・戸塚球場で行われた学徒出陣壮行早慶戦、いわゆる「最後の早慶戦」を描いたノンフィクション作品。小泉信三の信念、飛田穂洲の熱い思いをはじめ選手たちの野球へのひたむきな姿に襟を正させられる。戦死された選手の方々のご冥福をお祈りするとともに、当然のように野球ができる現在の環境があることに改めて感謝したい。 ※この試合で主審を務めた方は、その前年(昭和17年)に行われた「幻の甲子園」の決勝でも主審だったことを発見。他にも石井藤吉郎さん(元早大監督)など人物的にも重なっている。2008/08/15
ドリル
2
終戦記念日に読んだ本。この日は色んな思いを感じながら一日を過ごした。昭和17年を最後に大学野球も中止となる。翌昭和18年、兵力不足を補うため学徒出陣が行われた。20歳以上の学生に出征命令が出されたのである。各地で壮行会が行われたが、その一つとして早慶戦が行われた。この時の模様や戦時中の状況をまとめたノンフィクション作品。(★★★★)2015/08/16
寺内町亭小天狗
2
学徒出陣という、ときの政府の政策によってペンを銃にかえて戦争に駆りだされる。そして若い命を捧げた結果、英霊となる。早稲田と慶應義塾の両大学野球部が、出陣前に苦労の末に対抗戦をする。本書は、復員した野球部関係者が当時の様子を回想した記録です。文部省連盟解散命令・在学徴集延期臨時特例・六大学野球用邦語集・宮城遥拝・学徒動員令・海ゆかば♪・明治神宮球場(ステート・サイド・パーク)など。集団的自衛権により、自衛隊予備軍になる学生が動員されることになる。『東大生はどんな本を読んできたか』『江田島教育』を参照。2014/07/03