内容説明
ペナント奪回を狙う読売巨人軍の救世主となったストッパーのサンチェの専属通訳をつとめるロベルト・マルカーノは、かつて阪急ブレーブス、ヤクルト・スワローズで活躍した名選手だったが、ヴェネズエラ出身の彼には、何と明治の日本人の血が流れていた。日本人の曽祖父をもつという彼の言葉に、そのルーツ探しに出た筆者は、九州・天草で有力な事実をつかみ、ついにはヴェネズエラに飛び、彼の家族、そして現地の日本人会の人々と会い、多くの確証を得る。遠く、明治の日本に遡り、マルカーノのルーツばかりでなく、南米大陸に埋没していった日本人の、血の流れの歴史を追うノンフィクション巨編。
目次
第1章 天草へ
第2章 密航者、万造
第3章 奴隷船
第4章 上海からペルーへ
第5章 カラカスへ
第6章 母、デリア・マルカーノ
第7章 砂丘の無縁塔
第8章 ペルーの日本人
第9章 米倉雄三氏の話
第10章 クワン・アントニオは日本人だった
第11章 矢沢清次郎氏の困惑
第12章 終幕の果てに
解説ボビー・マルカーノ選手の野球人生




