出版社内容情報
杉浦非水の三越呉服店のポスターから、戦時プロパガンダ、そして東京オリンピック、石岡瑛子の企業広告まで、文化史としてのグラフィックデザインの歴史を総覧する。貴重図版多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
23
ポスター1枚の迫力、潜ませたメッセージ。◉石岡瑛子。前田美波里のポスターの人かー。PARCOに角川書店。「私が正しいと思う表現をやり切る」とは周囲の評。本人の言葉は少なく、主役はやはり作品といったふう。◉プロパガンダ・ポスター。横山大観『国民精神総動員』はなぜ函館に(コレクターがいた?)。藤田嗣治『空だ男のゆくところ』(ふはー!)◉ほか、フォトモンタージュ、タイポグラフィなど。亀倉雄策はどれもこれも骨、太すぎ。「後進を育てる熱意…海外の新動向であるモダニズムへのたゆまぬ関心と咀嚼があった」評伝を探そう。2024/06/10
阿部義彦
16
こう言う特集こそ正に私が望んでいたモノ。流石非凡な平凡社!日本のポスター、グラフィックデザインをこの一冊に。巻頭の石岡瑛子の評伝からして圧巻。資生堂で名を売り、その後PARCOのポスターを手掛けた戦後デザインの特異点。私的にはパルコのタマラ・ド・レンピッカのポスターの人で忘れられません。本編の特集は時代を追って竹久夢二など個々の図案家にも触れて、戦中のプロパガンダポスターは、かなり貴重で考えさせられました。その後の東京オリンピック、そして鬼才と呼ばれる、宇野亜喜良、横尾忠則、十文字美信まで。表紙が最高!2024/04/14
TI
8
面白い。初期のただの美人がに文字書いただけのポスターが 徐々に進化していく様子。戦中期の対外誌「NIPPON」や「FRONT」の洗練さ、そして戦後それが花開く感じがよく分かる。星4.2024/06/01
kaz
4
それぞれの時代のポスターのイメージがビビッドに伝わってくる。図書館の内容紹介は『杉浦非水の三越呉服店のポスターから、戦時プロパガンダ、そして東京オリンピック、石岡瑛子の企業広告まで。文化史としての日本のグラフィックデザインの歴史を総覧する。貴重図版を多数収録』。 2024/05/26
ぶ~の
3
はぁぁあ、とか、ほぉぉっとか、ページをめくる度に声が出てしまいました。何かの作中に出てきた井上非水氏が気になって地元の図書館で見つけた本。最初はペラペラめくって一通り作品を眺めただけなのですが、どの作品も製作者の個性に溢れていて魅力的。そのあと記事をじっくり読んでポスターが製作された背景を知って魅力増し増しに。何度も見直してしまいました。ポスターって時代を映す鏡だと思うのですが、それは内容だけでなくグラフィックのテクニックも同様だと実感。そういえば最近は印象に残るCMとかポスターって思い浮かばないなあ。2024/09/16