出版社内容情報
最後の名人の考える「落語」とはなにか?その至芸の秘密、人生の来歴まで、徹底的に解き明かす。特別企画:荒木経惟、小三治を撮る。
別冊太陽編集部[ベッサツタイヨウヘンシュウブ]
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こーた
154
ことしの末廣亭六月下席で聴いたのは「千早振る」だった。まくらも素晴らしく、幸福な気持ちになったことをいまでも覚えている。ひょっとするとその日だったかもしれない一日が、この雑誌にも載っていて、胸が熱くなる。圧巻だったのは文菊さんとの対談。芸とはなにか、生きるとはなにか。とてもたいせつなことが書かれている。グラビアから一問一答まで、弟子がファンが評論家が、自らが語る人間国宝十代目柳家小三治。読めばあの日の高座を思い出す。そしてまた小三治を聴きにいきたくなる。2018/12/01
ケイ
116
私が敬愛する漱石の言葉を小三治さんが引用している「三代目小さんは名人だ。噺の中に、この人とこの人が出てきて小さんが見えなくなる。笑わせようとする演者がいるが小さんの噺にはそれがない」圓生さんについて首を傾げる「昔は尊敬していたが今はすごいなと思っている。あの人の噺の中、演者自身の心があるんだろうかってことを感じるから」圓生さんの本を読んだところだから、ガツンとやられた気がした。圓生さんも松緑さんのことを書いていたけどね。小三治の語る松緑さんの言葉「あんなの下手な歌舞伎じゃねえか」ああ、そうなのか…。2018/10/08
就寝30分前
29
そうかぁ、独演会の一席目の出来が良すぎて、中入り後の二席目をやらないって言う噺家もすごいけど、それを拍手で許すお客さんもすごいね。落語を聴き慣れた人ばかりだったんだろうなぁ。自分がその場にいたら金返せって言うかなぁ。。。言わないな、人間国宝の噺家がそんなに満足した話を聴けたんだと感激して拍手するんだろうなぁ。そんな噺家さんの特集です。2019/02/25
チェアー
3
この人も芸の鬼だな。落語家が落語家に聞く、というインタビュー企画では、相手をこてんぱんにのしていて、ただただお小言を言い続けていた。これから、人間国宝になれる落語家は思い浮かべられない。 2021/10/22
issy
2
古今亭文菊との対談での厳しい言葉が印象的。心の内から出てくるセリフじゃないとダメ、形ばかりそれっぽくしてもダメ。小三治の本質に迫ろうとする本誌を通して5代目柳家小さんの存在の大きさを垣間見る。2019/05/26