出版社内容情報
「地獄草紙」「餓鬼草紙」「病草紙」「北野天神縁起絵巻」など、地獄絵の名品をふんだんに紹介しつつ、恐ろしくも魅惑的な「地獄」の世界を旅する一冊。文=細野晴臣、辛酸なめ子ほか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
39
地獄には罪ある人が落ちると言います。罪なき人のあるや。人は必ず地獄を旅するのでしょう。蝶や花も命が尽きれば地に落ちて朽ちて踏みにじられて土に戻るのです。美しいものが蹂躙されることは地獄ではないのでしょうか?土に戻れば次の命の礎となることを考えれば地獄もまた新たな命への道なのではないでしょうか。玉のように美しい肌を、夜空のような黒い髪をもつ優美な女性にも腐乱の醜が内包されているのです。しかし、それもまた命の変化の中で美しくなるための要素でもあるのでしょうか? 地獄とは何なのでしょう。思いは千々に乱れます。2017/10/20
★YUKA★
38
とっても面白かったです! 特に北川和尚の絵解き講座、『死んだらどうなるのか。』が楽しめました(^-^) 東京ゑんま堂巡り、してみようかなぁ☆ 2017/07/08
香菜子(かなこ・Kanako)
34
太陽の地図帖 地獄絵を旅する。加須屋誠先生の著書。悪いことを地獄に落ちるとか、あんな奴は地獄に落ちてしまえとか、日本においては地獄という言葉が使われることがあるけれど、地獄について真剣に考えたことのある人は現代日本人では多くないと思います。でもかつての日本人たちは、地獄について真剣に考え、多くの地獄図を描いた。それらの地獄図を紹介、わかりやすく解説した良書です。2018/09/28
コージー
19
文字通りの地獄の世界。昔の人はすごいことを考えて、よくこんな絵を書いたものだと思う。鎌倉の十王は見てきたが、東京のも見てみたい。2013/10/14
m
12
怖いと分かってるのになぜか見たくなる地獄絵。焼かれたり切り刻まれたりすり潰されたり、地獄に堕ちた人は大変だ。なんて他人事みたいに言っているが、自分も地獄行きだったらどうしよう。日頃の行いを正さなくては。六道珍皇寺と深川ゑんま堂は行ったことがあるが、独特の世界観で面白かったなぁ。2016/04/09