出版社内容情報
日本の仏像の黎明から江戸時代の末まで、祈りのなかに究極の尊容を求めて生みだした1400年の造仏の歴史を通観。約500点の図版、増頁オールカラー、最新の動向を踏まえた決定版。
第一講 仏像の黎明──飛鳥時代 仏像の渡来と飛鳥時代の開幕 法隆寺の造像と飛鳥時代前期の金銅仏 飛鳥時代前期の木彫 飛鳥時代後期という時代 飛鳥時代後期の金銅仏と木彫 さまざまな新技法第二講 古典の完成──奈良時代 平城京の寺と仏像 法隆寺の塑像 薬師寺金堂薬師三尊像と大金銅仏の系譜 興福寺西金堂の諸像 法華堂の諸像と東大寺 唐招提寺と西大寺 木彫の成立と捻塑系の新技法 神仏習合の成立第三講 転形と模索──平安時代?T 遷都と仏教の革新 転形の時代 承和様式の仏像 和様の萌芽 典型の模索 清凉寺釈迦如来像の請来第四講 和様と耽美──平安時代?U 平安時代後期の盛期と定朝 平等院鳳凰堂 和様の継承と耽美への沈潜 新時代への胎動 地方造像の拡大 南都復興の開幕第五講 再生と変奏──鎌倉時代?T 鎌倉時代の開始 運慶の御家人造像 康慶と南都復興 運慶と鎌倉彫刻の完成 運慶の周辺 運慶・快慶の二代目 鎌倉中期の京都・奈良・鎌倉 蓮華王院本堂の再興造像第六講 伝統の命脈──鎌倉時代?U 南北朝時代以後 鎌倉時代後期 南北朝時代 室町時代 桃山時代 江戸時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chantal(シャンタール)
83
ものすごく厚くて重くて、お値段もかなりしたこの本。でもその価値はある。色んな仏像関係の本で紹介されるような有名どころの仏様は大体網羅されている。飛鳥時代から江戸時代まで、時代ごとの仏像の特徴などが説明されている。それは読み飛ばして写真だけを眺めていてももちろん構わない。写真はオールカラーだからほんとにため息つきながら眺めてしまう。どの仏様もほんとに美しい。実際見たはずなのにあまりちゃんと覚えていない仏様もあったり・・この本に紹介されてる仏様、みんな見仏できたらどんなに幸せか・・・2020/07/26
なおみ703♪
7
山本氏の「仏像のひみつ」を読んで、如来、菩薩、明王、天の序列のことや、金剛仏、脱活乾漆造など作り方の違いが頭に入っていたせいか分かりやすい。学生の時は、仏像名、寺院名、時代を覚えようとしていたけれど、今は心落ち着けて写真を見入ることができる。本物に出会いたい。特に興福寺の仏頭。溌剌していて穏やかで。飛鳥時代の渡来人から伝わる仏さまたちはとても愛らしい。見学する時、正面からしか見ていなかったが、横からとか可能ならば後ろからとか観てみたい。特に11面観音像を真後ろから観たい。せめて東博には行くぞ、と思った。2018/11/20
井月 奎(いづき けい)
3
仏教はその生誕の地インドでは異教であり、多分それも関係しているのだろう、仏像が造られるのは遠くガンダーラにおいてのことで、そこから紆余曲折、現在の中国や朝鮮半島を経て日本に訪れる。つまり日本においては最初からいろいろな文化と文明の入り混じった状態なのだ。インド、ヘレニズム、中華等々。だからだろうか御仏はかなり異形である。東アジアで仏教は花開くが、それぞれの国や民族によって御仏もかなりその姿を変える。仏教の大きさと人々の心の柔らかさと祈りを求める気持ちが育んだのであり、それはこれからも連綿と続くだろう。2015/06/13
静かな月を見てる
2
表紙の菩薩立像が好きすぎて展示があるたびにトーハクに行ってしまう。だから、私にとっては表紙だけでそばに置いておきたい本だ。これをつくった仏師善円のことが知りたくて時おりこの本を開く。もちろん好みはあるだろうが、博物館所有の仏像の中でこれほど美しく惹きつける仏像を私は知らない。2020/03/05
szur
2
今まで仏像を見て、なんとなく飛鳥、奈良、平安、鎌倉…っぽいとあやふやな区分だったのが分かりやすく、すっきり整理された。なんといっても図版が美しい。お寺巡りしたらまた読み直そう。2013/04/23
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