別冊太陽
山下清の放浪地図 - 昭和の日本をぶらりぶらり

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  • サイズ B5変判/ページ数 95p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784582945423
  • NDC分類 723.1
  • Cコード C9471

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

47
1922年に生まれ、貼り絵などで知られる「裸の大将」、山下清氏。知的障害の施設を度々逃げ出した事は有名だ。本書はその人生と作品を、放浪旅の地図と共に解説する。コラムも面白い。丹念に貼り込まれた画面は、素朴だが点描画のように緻密で美しい。構成が独特で、花火や風景の作品はスケール感に引き込まれる。戦時の「高射砲」は荒々しいタッチが暴力への恐怖を伝える。どの作品もイメージが強烈。彼の居た八幡学園の方針に、「一人ひとりの子供を静かに辛抱強く見つめる心」とある。自分に対しても他人に対しても、こうあれたら素晴らしい。2020/06/15

オレンジメイツ

18
今年最後に読めてよかった本。「みんなが爆弾なんてつくらないで花火ばっかりつくっていたらきっと戦争なんて起きなかったんだな」山下清さんをもっと知りたくなりました。見に行ける作品もあるみたい。いつか行けたらいいな。2020/12/31

チロル

15
図書館本、母選。ドラマ『裸の大将』が好きでした。特に、再放送で視ていた、芦屋雁之助さん主演版。方々の放浪先にて 地元の人々との触れ合い。前にも聞いたことはあったけれど…本書にも載っていましたが、清さんは 旅先でのスケッチは ほぼせずに、当時 拠点としていた 八幡学園などに帰宅してから、貼り絵を完成させた と言うのだから 凄い記憶力の持ち主だと感心します。その作品は年々 素晴らしさを増していく。また、陶磁器にも絵付けをしていた等は知らなかったです。 作品裏に、日付と 時間を細かく記しているのは微笑ましい☺️2021/02/14

Yutaka Matsuzawa

15
山下清の人生と放浪の軌跡。貼絵作品が多数収録されているのと、どこを放浪したかをエピソードとともに地図にプロットしているのがいい。画家で有名だが、山下清はむしろ旅人が主なのではと思った。知的障害者施設の八幡学園を抜け出してはまず住み込みで松戸、柏、我孫子、そして仙台、新潟、草津、長崎、鹿児島と線路沿いを歩きときには鉄道に乗り、花火を見て温泉につかり日本各地を渡り歩いた。貼絵は学園の先生に勧められやってみたら周りが勝手に騒いでいた。そんな感じか。苦労はあるが自分の意思でウロウロできる自由。とても大切。○2020/08/04

ybhkr

6
裸の大将では、旅先で絵を描きマスコミだかなにかに見つかって逃げるように次の土地に向かっていた山下清だが、実際は旅先の風景を焼き付けて帰宅してから創作していたようだ。写真やメモをするでもなく(絵日記は描いていたけど)記憶だけで描いていたという、すごいな。甥の浩さんも驚異的な記憶力だと記している。作品集ではなく、まさしく放浪地図。西加奈子がなんでも鑑定団みたいなエピソードで山下清の29歳の作品・カーネーションを入手した経緯が興味深かった。放浪エピソード、うまく行かないこともあったけど、結果的に神懸かっている。2017/03/11

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