出版社内容情報
時に表舞台で政治を動かし、時に抜き難く私たちの心を支配する呪術とは何か。日本史に底流するその歴史を、古代から現代までたどる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャッピー
30
陰陽道、密教祈祷から民衆に浸透した俗信やまじない、呪物コレクターの集めた人形など複数の著者による日本の呪術の世界が多角的に書かれた一冊。写真も豊富で思ってた以上に興味深い。加門七海さんの「日本史に秘められた10大呪詛事件」が特におもしろかった。太平洋戦争時代に国が寺社に対して敵の撃滅を祈祷させ、さらには密教の高僧たちにルーズベルト呪殺の祈祷までさせていた。ルーズベルトが3ヶ月後に急死したのは偶然なのか。恐ろしや。2025/05/07
あっちゃん
22
怪談の番組とかでよく見る人達の名がチラホラ(笑)安倍晴明は若いイメージだったけど、というそうだったんだ?というのもチラホラ、それにしてもデカい本だなぁ!何より婆ーちゃん達の写真が一番怖い( ̄ー ̄)2024/10/17
阿部義彦
20
特集は「呪術の世界」最近では「NARUTO」「鬼滅の刃」「呪術廻戦」等のアニメやコミックの影響が多大なのだそうです。若者向けの大メージャーの漫画には、興味の欠片も無いジイジですので、ふーんと言う感じ。一番の収穫は二つ。一つは『妖怪ハンター、番外編』で見た、大人形(魔よけ)の実物の写真が見れた事。そして呪術の二大原理『類感』と『感染』私の亡き母は、秋田で自分を産んだが、病院でへその緒を木箱に入れてくれましたが、私が大病をしたら煎じて飲ませる為だったのか。これが『感染』の例。当時はそんな信仰も生きてたのだな。2024/08/09
ポテンヒット
12
奈良時代の呪いの人形(ひとがた)から密教や陰陽道へ、その後、大衆化して年中行事やエンタメに取り入れられるという呪術の歴史が分かりやすかった。奈良時代に呪詛禁止の法律があったのも面白い。怨みという無形のものが有形へ、現在もツールが変化しただけで人のネガティブな感情は変わらない。荒俣宏の鍾馗の話や、諸星大二郎の漫画、内田百閒の「件」(内田版「変身」のようだった)など予想以上に読み甲斐のあるムック本だった。2024/12/21
かめぴ
9
ガチの方だった。小松和彦…人類学者が監修する呪術の世界、歴史に基づく知らない事がいっぱい。安倍晴明は自分語り好き。今で言うところの「有名ブロガーの記事に名前を出して貰って」有名になったらしい。ここからもう面白い。空海もかなりの呪術師とは。加門七海『呪術にブームなどない』のキッパリ度には面白すぎて笑う。確かに。内藤正敏【婆バクハツ】と田中俊行【コレクション】見れて良かった。古代から現代に至る呪術小史、面白く読了。自来也って自ら来る成り。へー。2024/12/16