出版社内容情報
近年人気が高まる新版画のなかでも、風景画に着目し12作家を紹介。
川瀬巴水、吉田 博などの人気作家や、橋口五葉、伊藤深水などの大作家、
さらには笠松紫浪、土屋光逸まで……。それぞれの代表作を網羅的に紹介する決定版!
大正・昭和に勃興し、芸術本位の新たな表現に取り組んだ「新版画」。
新しい芸術を求めて版元に集い、風景画に才を発揮した画家たちの
忘れえぬ景色をたどる──。
[目次]
◎巻頭言 新版画をもっと楽しみ、深く鑑賞するために 滝沢恭司
◎1章 川瀬巴水──木版画(え)になる風景を探して
川瀬巴水
◎2章 新版画前夜の風景表現――浮世絵版画から新作版画へ
高橋松亭
◎3章 新版画草創期の画家と風景画
橋口五葉/伊藤深水
◎4章 洋画家 吉田 博――風景へのまなざし
吉田 博
◎5章 風景画の制作者たち 伝統とモダンの間で
笠松紫浪/土屋光逸/石渡江逸/伊藤孝之
◎6章 新版画制作に魅了された外国人画家
チャールズ・バートレット/エリザベス・キース/ノエル・ヌエット
◎コラム
渡邊庄三郎――新版画ムーヴメントをつくりだした版元 滝沢恭司
新版画の画題 滝沢恭司
清方門の画家と新版画 滝沢恭司
同時代のアメリカでの人気と評価 小山周子
インバウンド誘致と新版画 小山周子
新版画の技──彫りと摺り 渡邊版、私家版吉田博について 古家満葉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kirinsantoasobo
15
図書館本。時々ふと昔の風景画を観たくなります。柔らかな色合いで素朴で温かみがあって心が落ち着きます。 旅が好きだった巴水は、全国を旅して自分が面白いと思う木版画になる景色を探し求めたそうです。多くの作品の中で、わたしは月の描かれている夜の風景画が好きです。また、一緒に紹介されている作家の中で、洋画家吉田博の「フワテプールシクリ」という北インドの古都を描いた作品も、うっすら光が差し込む情景が時間の流れを穏やかにしているようで心が癒されました。巴水の作品の中に風景に溶け込むように描かれている人物も好きです。2024/10/09
みい
10
友だちが好きだと教えてくれた。あ、どこかで見たことある…。赤い社と雪と傘を差す着物姿の女性。他の作品も心惹かれる少し前の日本の姿。木の電信柱とか、もう郷愁の中の風景になった。新版画という存在も知らず、まず図書館で借りた別冊太陽で基礎知識とともにいろいろ見てみようと思った。老眼の身にはつらい字の大きさ。年取るのって寂しい。でも、年取ったからこそ、知らなかった素敵な作家さんとの出会いをありがたく感じる。私たちの目玉として日本の風景を見て版画にしてくれた巴水。今は変わってしまった風景もその目玉は伝えてくれる。2024/08/25
kaz
2
新版画の雰囲気に浸ることができるのが嬉しい。川瀬巴水以外の作家も、それぞれの個性を楽しむことができる。図書館の内容紹介は『大正・昭和に勃興し、芸術本位の新たな表現に取り組んだ「新版画」。川瀬巴水、吉田博から笠松紫浪、土屋光逸まで、新しい芸術を求めて版元に集い、風景画に才を発揮した作家たちの代表作を網羅的に紹介』。 2024/07/13
安東奈津
1
★★★☆2024/08/08
ぼちぼちら
0
◎2025/04/13