出版社内容情報
世紀末ウィーンを代表する画家、グスタフ・クリムトの生涯とその芸術を多角的に読み解き、各分野で活躍する著名人が選ぶ名作を紹介。同時代のエゴン・シーレの傑作選も収録。
[目次]
世紀末の「聖なる春」を生きたグスタフ・クリムト 千足伸行
世紀末ウィーンの幻惑 千足伸行 作品解説・冨田章
1 クリムト以前のクリムト
2 黄金時代
3 奔放な描線 クリムトの素描
4 開放された色彩
5 旅するクリムト アッター湖の夏
世紀の転換期を駆け抜けた夭折の天才 エゴン・シーレ 池内紀
クリムトからシーレへ―― エゴン・シーレ「生と死の円環」
Ikeuchi Selection シーレ10選
世紀末芸術が息づくウィーンを訪ねて
ベートーヴェンとクリムト 仲道郁代
クリムト紹介者としての森鴎外
クリムトとモード コシノジュンコ
美しいローレライに誘われた話 多田由美
「飾り」とクリムト 平松礼二
クリムト・シーレ略年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リッツ
27
有名な数点を昨年のクリムト展で間近に観られたのは、感動もだけど不思議な感じがした。そして見損ねたウィーンモダン展が改めて惜しまれる。シーレ観たかったなぁ。この本でもシーレの頁は少な目なのが残念。官能と孤独、生と死、輝きと虚無、あらゆる物語を超えて彼らの美の世界に暫し陶酔。2020/05/02
大粒まろん
11
クリムトといえば、黄金時代の接吻やアデーレ、ユディトなどの女性美が有名なのだけれど、写実画も抜群だったり、個人的には風景点描画の木々の下の薔薇や、油彩の鳥のいる庭の小道なども大好きだ。アッター湖畔のカンマー農場も色彩と質感がたまらなく素敵と、見てて飽きない。この本は「クリムトとシーレ」という割に、ほぼ5分の4がクリムトで、残りがシーレという感じだ。まぁ、クリムト展開催時期の出版物なので、まぁ、そうなんですけど笑。鴎外と生まれ年が同じで、鴎外はスバルに何度も紹介文を書いてるという素敵。やはりスーパーエリート2023/04/04
bluelotus
8
★★★☆☆ クリムトの絵をこの大判サイズで細部まで見られることに喜びを感じつつ、お目当てだったシーレの少なさにショックを隠しつつ…だった(笑)クリムト展とウィーンモダン展で来ていた絵にそれぞれ印が付いているので、後々に改めて楽しめそう。2019/07/14
ちゃみ母
7
クリムトの饒舌なまでの、背景の文様の描きこみが好き。風景画は初めて見たが、やはり細かい描きこみがたまらん。また、シーレの絵がもっとあれば良かったなぁ。暗く、ひび割れて、胸が痛くなるような繊細さが感じられていい。2019/10/27
kaz
4
クリムト展を思い出しつつ眺めたもの。実物のインパクトにはとうてい及ぶはずはないが、作品の背景等を落ち着いて理解することができた。クリムト、シーレを展示したウィーン・モダンも観に行けば良かった。2019/09/14
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