出版社内容情報
日本の美と文学を追究し続けた人生を、数多くの記録資料と著述作品のアーカイブにより徹底編集した、ビジュアル人物史の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
57
「和樂」のキーン先生ムックがひたすら人間・ドナルドキーンに迫った親しみやすい内容だったのと比べると、こちらは真面目にカッチリとキーン先生の学究一筋の人生を丹念に追ったムック。こちらも和樂とは違う味わいでかなり読み応えがありました。図版も豊富だし、飛び飛びで持っている「日本文学史」をいつかコンプリートしてみたいと思いました。いい本でした。2017/10/20
彼岸花
22
「雨で緑の葉が洗われて美しい」この言葉で、逆に私の心が洗われました。日本は、はっきりした四季の変化や、自然に囲まれて、普段の風景も、何気に見過ごしてしまいがちですが、キーン先生の大和魂は健在。美に対しての感性は細やかで気付きが多いです。文楽や能に始まり、日本の古典や文学は、大切に引き継がれ、守るべき財産。その想いが、息子さんとの縁を見事結んだのでしょう。90歳過ぎても尚研究に没頭するお姿は、りりしく、厳しく、一線を画するものでした。悲しみは癒えませんが、三島さんや川端さんらと、談笑を重ねておられるのでは?2019/04/12
Mayu
6
本の構成は和樂のムック本と似たかんじでしたが、こちらの方がより突っ込んだ内容でした。業績の部分も伝記の部分もそれぞれに得るものがあり、非常に勉強したい欲を刺激される内容でした。源氏物語も、石川啄木も読んだし、能も歌舞伎も観たことあるのに、そこから自分が受け止められたものをキーン先生の感動や情熱と比べると…まだお粗末だなぁと。キーン先生の著作をもっと読んでみたい。能はまだ全然良さが分からない自分ですが、なんとか糸口を見つけたいなぁ。オペラ観に行くのも良いのかな。この本で一番好きだったのは古今和歌集の序文。2019/04/01
kaz
5
キーン氏は、日本人以上に日本のことを知った人、あるいはネイティブな日本人ではないからこそ日本の良さを発信できた人というのが、正直な感想。写真を眺めるだけでも楽しめる一冊。 2017/11/19
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
4
幼少期買ってもらった本に日本の話があった、高校で韓国人に知り合ったことで漢字に興味を持った…ささいなきっかけが積み重なったのだなあ。日本文学史の大全集を完成させていたとは知らなかった。白足袋を履くシーンも、英語圏では白靴下だとスポーツ選手になるので白手袋をはめるシーンに替えることで「気持ちを新たに引き締めて出かける」意味を込めだと別の本でよんだのだけど、そういった発想が出てくるのはキーンさんの交友関係を見て理解できる気がした。みな美意識が高い人たち(^^)キーンさんの住むマンションや別荘からの眺めも最高2019/07/09