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出版社内容情報
全国の名所を版画に描き「昭和の広重」とも称された川瀬巴水。近年、人気が高まる巴水の代表作品や原画、スケッチなどを一挙に紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yyrn
19
ヨーロッパの印象派に強い影響を与えた浮世絵は、明治になり写真や銅板などの新技術が流入すると多くの工程を必要とするため衰退の危機に陥ったが、その復活を目指し立ち上がった版元・渡邊庄三郎の取組みが冒頭に紹介され、新版画運動の中心に川瀬巴水がいたと教えられた。確かに広重や北斎にも劣らない素晴らしい版画だ。編集後記に、巴水の風景画は「様式化されたデザイン」だという表現があり言い得て妙だが、でもそれは広重や北斎の浮世絵の方がより強く、巴水は写実に近いと思う。「眺めていて安らぎを覚える」という意見には強く同意したい。2019/07/14
tama
10
図書館本 ちょっとファンなので 文は殆ど読まず絵を観るのを重点に。やっぱり好きです。特に画題が夜・雪・雨はたまりませぬ。絶筆の平泉金色堂は絶筆と知らずにいきなり好きな絵になりました。雪明りたまらん。雪に暮るる寺島町、尾州亀崎、月島の雪、大宮見沼川、雨の大宮、越後小千谷、塩原畑下。スポーンと抜けた青空に緋鯉の鯉幟も気持ちよい。なんかポスター、カレンダーっぽい、デザイン重視的絵も結構多いんだね。駒形河岸とか。2018/01/31
ceskepivo
8
川瀬巴水の版画は、懐かしさを感じさせる。特に夕焼け空の青とオレンジのコントラストは強烈だ。日本の風景の多様性、四季の存在。それを余すことなく表現した巴水に感謝しかない。2023/10/13
sonettch
8
「巴水は写生をするときに、リアリズムを達成しようと丹念に描き込んでいる。しかし巴水の作品には風景の現実性はなく、様式化されたデザインとなり、幻想的な世界が現出している。まさにその写実と装飾性のせめぎあいこそ日本的な美観といえるもので、眺めていると安らぎを覚える」【編集後記】より2017/09/24
tama
6
図書館本 再読理由1.先日鑑定団で本物が沢山出てしかも鑑定したのが、摺師の子孫だったこと2.最近北斎展を見に行ったとき北斎の影響を受けたというフランス人画家アンリ・リヴィエールの作品を見て雨の絵に痺れ、巴水作品の感じ方も変わったか?と思って。やっぱり好きな絵が変わっていた。佐渡相川町は懐かしい噴火湾の漁村の風景を思い出し金沢下本多町の女性は私の母を思い出す。雨の夜には感じるが雪にはあまり感じなくなったなあ。妻に先立たれたのが効いてるかな?2023/05/18