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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
53
伊藤晴雨が私淑していたというところから月岡芳年に興味を持った。尊敬する絵描きの友人が芳年好きなため以前からぼんやり好きではあったが、急にまとめて知りたくなり入門編として別冊太陽の兄貴に頼ることに。この本自体は血みどろ無残絵も少なく、さっぱりクリーンな印象です。美人画もあります。しかし芳年独特のけばけばしい顔料の錦絵(私には彼の絵は錦絵に見える)はやはりオンリーワンの個性。山口晃氏のエッセイも収録されています。このシリーズはサイズが大きいので見やすいです。2016/09/19
がらくたどん
42
少し前に月光奇譚中短編集を楽しみながら「浮世絵じゃ~」と芳年の「月」を思い出していたら、先日芳年の解説書を紹介してくださっているご感想を拝見し、画集→大版→別冊太陽へ。乱歩先生方の激押しで「血みどろ芳年」の印象が定着した感もあるが、台所道具の合戦や斬新な構図の豪気シリーズ、そして「月」も良い。五条大橋の月。盗賊を怯ませるほどの笛を吹く保昌が背負う月。晩年の「月百姿」は溜息しか出ない。自分はうさ党なので、でっかい月を背景に空を舞う玉兎ちゃんと悟空の2ショット(一応闘ってます)がやはり何度見ても大好きです♪2022/04/12
HANA
29
別冊太陽だけあり図版多数でしかも大きい。武者絵、美人絵、無残絵とどのジャンルも紹介されており、実に見ごたえがある一冊。ただ僕の持っている芳年画集はどれも従来からのイメージの脱却を図るせいか、無残絵の比率が低いように思われる。これも『英名二十八衆句』とか二三枚が収録されているだけだし、そこがちょっと不満。乱歩とか三島由紀夫とかに影響を与えたジャンルなのに。とはいえ初公開の版下絵、どれも怪異がテーマとなっていて、個人的にはストライクど真ん中でした。他の絵も見れば見るほど色鮮やかで、存分に満足できた一冊でした。2012/08/25
出世八五郎
16
師匠は高名な歌川国芳。幕末明治と跨いで活躍。明治元年に30歳。最後の浮世絵師。作品解説を読みながら眺めてみると、現代で有名な歴史人物を描いた物はほとんどない。せいぜい加藤清正や義経ぐらい。それ以外は“和漢百物語”“美勇水滸伝”“和漢豪気揃”シリーズなどに出てくる中国古典の英雄や日本のマイナー人物(現代視点)や事件、歌舞伎や講釈などを題材にしている。教養の問題なのか?分からないが絵を眺める上で、その題材に対する知識を持ち合わせないことに多少の恥ずかしさを感じる。2017/01/08
ビスケ
11
一冊丸々芳年。無残絵ばかりに焦点を当てていないところが好感が持てます。解説はしっかりしているし、初公開の30点の版下絵も見られて満足。大好きな「東名所墨田川梅若之古事」が大きく掲載されていて嬉しかった。2012/07/03