感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TB
3
K図書館本。「百物語」を読んでから、森鷗外に興味を持って。小説とはいえ「僕は生まれながらの傍観者」と書いてしまえる鷗外先生っていったいどんな人?って、新潮文庫『山椒大夫・高瀬舟』、関川夏央・谷口ジロー『秋の舞姫』、ドイツ3部作、と読んできて本書だけど。おかげで少しは自分なりの鴎外像が見えてきた。ずば抜けたエリート、リアリストにしてロマンチスト、子供好きの家庭人、ジェントルマン、頑固者、知の巨人…。色々な側面があるけど、「妄想」の「自分のしてゐる事は、役者が舞台へ出て或る役を勤めてゐるに過ぎない」が重いね。2025/02/08