出版社内容情報
「孤高の音楽家」ベートーヴェンの真実の姿とは。彼が残した書簡と人々との出会いや恋愛を通して作られた作品から、善良なる人間となることを求めたその生涯をたどる。
内容説明
生誕250年を経てなお、人々を魅了し続ける、楽聖・ベートーヴェン。恋愛体験や難聴などの病という「苦悩」を乗り越え、「歓喜」へと昇華させた不屈の精神について、思いを寄せる女性・友人に宛てた書簡や、自らの思いを綴った遺書・日記を基に辿っていく。さまざまな苦難を人間的成長に代え、数多くの名曲を残した「人間ベートーヴェン」を知る。
目次
第1章 故郷ボンでの少年時代
第2章 ウィーンでの音楽活動開始
第3章 ハイリゲンシュタットの遺書
第4章 「不滅の恋人」への手紙
第5章 ベートーヴェンの『日記』
第6章 『第九』の完成と演奏史
終章 「人間ベートーヴェン」の真髄
著者等紹介
石川栄作[イシカワエイサク]
1951年高知県生まれ。福岡大学人文学部独語学科卒業、九州大学大学院文学研究科(独文学専攻)修士課程修了。専門分野はドイツ中世文学とワーグナー。文学博士。78年4月より徳島大学にドイツ語教員として勤務、2017年3月に定年退職。名誉教授。18年4月より放送大学徳島学習センター所長を務め、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
96
世に数多のベートーヴェン評伝がある中で、新たな著作を上梓するからには、独自の視点が必要となる。本書のテーマは「人間ベートーヴェン」。「孤独な音楽家」というイメージではなく、多くの善なる友人に囲まれた幸福なベートーヴェンにスポットライトが当たる。それを象徴する作品の選曲がいい:交響曲第2番の第2楽章(私は、このラルゲットが大好き!)、アントーニアとの思い出に満ちた交響曲第8番、そして連作歌曲「遥かなる恋人へ」。ベートーヴェンの緩徐楽章が大好物の私には、こういう優しくて温かいベートーヴェン像が腑に落ちる。2021/08/15
よし
4
ベートーベンの作曲した作品を体系的に整理したかったのと、作曲した時の背景やベートーヴェンの思いを知りたくて本書を購入しました。非常にわかりやすくかった。孤独な一面だけでないベートーベンを知ることが出来、曲を聴きながら再読したいと思った。2021/09/23
そらびと
3
新書を初めて読んでみました。私はベートーヴェンに寡黙なイメージを持っていましたが、実際は人と関わることも好んでいて、病気や恋愛などの苦悩を抱えながらも曲を作り続けていたことがわかりました。題名の通り"人間"ベートーヴェンだと感じました。2024/02/26
lovejoy
0
★★★★2021/06/28