出版社内容情報
古書店を営む著者が入手した、史料的価値の高い古典籍、報道などでも大きく紹介された貴重書にまつわるエピソードや入手経緯を紹介しつつ、古典籍の世界の奥深さを伝える。
内容説明
欲しいものが手軽に入手できる現代にあって、それをすり抜けるように存在する、古典籍。奈良時代から明治時代にかけての貴重な史料との、偶然の出会いやオークションによる落札など、約50年もの間、古書業界に携わる著者が体験した数々のエピソードを紹介する。文学的にも歴史的にも価値のある、日本古典籍の世界へいざなう。
目次
第1章 古典籍の世界へ
第2章 海外は日本古典籍の宝庫
第3章 最古の史料発見
第4章 古典籍、古文書は歴史の窓
第5章 江戸後期、外国人の史料
第6章 世界的に評価の高い日本の古典籍とその蒐集
著者等紹介
八木正自[ヤギマサジ]
1948年東京都生まれ。武蔵工業大学(現東京都市大学)工学部卒業。古書店主、比較文化研究家。東京都古書籍商業協同組合副理事長、全国古場籍商組合連合会専務理事、日本古書籍商協会(ABAJ)会長、大阪青山短期大学非常勤講師などを歴任。現在、有限会社安土堂書店代表取締役、実践女子大学文芸資料研究所客員研究員、日蘭協会会員。テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」では鑑定士を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
7
キンドルにて読了。長年に亙り古典籍の売買と研究に従事し、『お宝鑑定団』の鑑定士でもある著者による、稀覯書と古典籍取引、そして書誌学研究の随筆である。この世界にもやはり、大収集家がおり、その見識の高さは恐ろしいものがあったりする。グーテンベルク聖書より数百年古い印刷物が本邦に多数存在し、その気になれば一般人でも手にすることが可能なことに、日本の歴史と文化の蓄積の大きさに目がくらむ思いがした。今でも百万塔陀羅尼経、市場に出てるんですよ。しかも、金額的にぬこ田の手に届くなんて!2021/02/15
takao
3
ふむ2024/05/15
totapoo
1
ビブリオマニア必見の書。本当の本好きならこういう仕事をするのだなと納得しつつ、羨ましくも思えます。日本は古典籍文化の類まれに豊かな国であるにもかかわらず、その自覚がなく、図書館の整備ができていないという指摘は素晴らしい。最近は、国会図書館等が文献をPDF化し、公開していることもあり、そういうことはデジタルの恩恵だと思う。国会図書館か中央図書館の権限、予算を増やしてほしいとは私も思います。2021/04/16
onepei
1
まだまだおもしろい話がありそうだ2021/03/01
Go Extreme
1
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