出版社内容情報
財政の実体を、政府と日銀を一体と捉える連結バランスシートでみれば、“日本の財政は火の車”“消費増税はまったなし”がまったくのウソだと気づくはずだ。財務省や大マスコミの喧伝にだまされるな!
内容説明
財務省は、「このままでは、日本の財政は破綻する」と喧伝し、国債残高ばかりに目を向けさせ、増税や緊縮財政を声高に叫ぶ。だが当然のことながら、国には借金もあれば資産もある。企業財務を連結ベースでみるのと同様に、国家の財政状態も、日銀を政府の子会社とする「統合政府」として捉えなくてはならない。財政の実体を連結ベースのバランスシートで把握することで、いかに増税が悪影響を及ぼすかを指摘し、未来に向けた財政支出の必要性を説く。
目次
序章 消費税の増税は必要ない
第1章 「統合政府バランスシート」で捉えよ
第2章 財政危機の“ウソ”を検証する
第3章 財政赤字はいかにして起きたか
第4章 国債は国の財政を揺るがす“悪者”か
第5章 財政再建のポイントとは
第6章 財政を悪化させないために
著者等紹介
〓橋洋一[タカハシヨウイチ]
1955年東京都生まれ。株式会社政策工房会長、嘉悦大学ビジネス創造学部教授。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。80年大蔵省(現財務省)入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官、内閣参事官などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
97
著者は元財務官僚。元財務官僚が財務省びいきとは限らない。元NHK職員がNHKびいきとは限らないのと同じだ。国債発行額だけを見て「日本の借金が多すぎる、だから税金で埋めなければならない」という、それらしい話が誤ったストーリーであると主張する。国が50%以上の株を有する法人をすべて連結決算にすると、日本は大変な資産もちであることがわかる。というか、日本は資産を持ち過ぎだという。国債発行の余力はまだまだあるのだ。2025/02/23
南北
38
文藝春秋11月号の矢野康治氏の論文の予習のために読んでみた。「日本は借金が多く、いずれ財政破綻する」とか「消費増税の影響は軽微である」とする財務省の主張は間違っていると著者は述べている。政府と日銀のバランスシートを合算した統合政府バランスシートがそのことを裏付けている。財政再建に増税という考えは短絡的であり、まず最初に経済成長を促し、その後に増収を目指すと言う考え方は納得できるものだ。東日本大震災の復興増税に続いて、コロナ増税も考えていると言われている現在、財政についてさらに知る必要があると感じた。2021/10/19
mazda
22
国債残高だけを見て赤字だ、大変だ、ということが、いかに愚かなことなのかということを、丁寧に説明してくれています。政府が持つ子会社である日銀とのネットで見ることと、持っている資産を見れば、何も問題ないことがわかるのですが…。国民1人あたり何百万円の借金というフレーズも、財務省が増税を行うために啓蒙しているだけのものですし、なぜ景気後退を伴うことが分かっていても増税したいのかは、天下り先の確保にほかなりません。国民も賢くなり、霞が関の言いなりにならないようにしないといけないですね。2020/12/04
ロマンチッカーnao
19
日本は借金がすごくて破綻するかもしれないとか、国の借金を国民一人に換算すると1千万円を超えるとか、コロナでまた国の借金が増えたとか、色々言うけど、全部嘘っていうのが分かる本です。日本は財政破綻なんてしません。するわけがない。わかってはいるけど、説明出来ない。それを理解し、説明できるようになりたくて読みました。わかりました。でも、この後、ノートに転記し、図解化しないと説明できるまではならないかも。国の財政は難しい。読書会で説明できるようにもう少し勉強しなくちゃって感じです。2021/04/04
mazda
10
日本銀行が破綻するといった話を聞くことがありますが、銀行券を発行している政府の子会社が、どうやったら破綻するのかロジックを聞かせてもらいたいです。日本政府も国債発行で赤字になって大変、という人がいますが、国債の多くを銀行が買う、つまり預金者である国民にとっての資産なので、国民にとっては利子のつくありがたい商品です。政府が借金する代わりにGDPが上がればそれでいいはずなのですが、増税を目論む財務省の言いなりになるマスコミ、知識人のいうことに踊らされないようにしないといけません。2022/09/15