平凡社新書<br> ミステリーで読む戦後史

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平凡社新書
ミステリーで読む戦後史

  • 古橋 信孝【著】
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  • サイズ 新書判/ページ数 288p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582859010
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0236

出版社内容情報

敗戦後の復興と公害問題、安保闘争、少年犯罪など、日本が時代ごとに抱えていた社会問題を、ミステリーを通じて浮き彫りにしていく。敗戦後の復興の光と影のなかで、『点と線』『ゼロの焦点』が書かれ、爆発的な人気を博し、推理小説に社会派という新たな流れをつくり出す。さらに、高度成長期へと続く時代のなかで、『海の牙』や『人喰い』、騒音公害を告発する『動脈列島』などの作品が生み出されていく――。ミステリーは謎解きが終われば、それで一応の役目は終わりとなるが、歴史のなかに位置づけることで、時代が抱える問題が鮮明に浮かび上がる。はたして、ミステリーは戦後社会をどう捉えてきたか。まったく新しい読み方で、一〇年ごとに時代を振り返る。



《目次》
はじめに 11
序?章 ミステリーとは何か
1 ミステリーはなぜ生まれたか
探偵小説の最初期/負の共同性/科学小説/犯罪への関心と鎮魂/社会派と本格派
2 戦前の探偵(推理)小説
初期の探偵小説/江戸川乱歩と夢野久作
第1章 戦後の社会を書く─― 一九五〇年代まで
1 新しい社会と古い社会 横溝正史『本陣殺人事件』『獄門島』
2 思想の転向 多岐川恭の短編集『落ちる』
3 戦後の閉塞感 香山滋『海鰻荘奇談』
4 国家は何もしてくれない 大藪春彦『野獣死すべし』
5 推理の楽しみ 坂口安吾『不連続殺人事件』・高木彬光『能面殺人事件』
6 時代を書き込む 鮎川哲也『黒い白鳥』
7 女流作家の登場 仁木悦子『猫は知っていた』
8 競合する新聞記者 島田一男『社会部記者』
第2章 戦後社会が個人に強いたもの── 一九六〇年代
1 敗戦後の影 松本清張『ゼロの焦点』『顔』
2 公害告発 水上勉『海の牙』
3 サラリーマンは気楽な稼業 笹沢佐保『人喰い』
4 豊かな生活を求めて 藤村正太『孤独なアスファルト』
5 戦後は終わったか 西東登『蟻の木の下で』
6 ハードボイルドな生き方 河野典生『殺意という名の家畜』・結城昌治『夜の終わる時』
第3章 高度成長した社会の矛盾── 一九七〇年代
1 豊かになった社会の影 森村誠一『人間の証明』
2 列島改造 清水一行『動脈列島』
3 近郊の開発 大岡昇平『事件』
4 世代間の断絶 栗本薫『ぼくらの時代』
5 人間蒸発 夏樹静子『蒸発』
6 もう一つの王国 天藤真『大誘拐』
7 別の戦後国家 檜山良昭『スターリン暗殺計画』
第4章 新たな世代の価値観と家族の再生── 一九八〇年代
1 この世には価値がない 辻真先『アリスの国の殺人』
2 日本をはみ出して戦う個人 船戸与一『山猫の夏』・志水辰夫『背いて故郷』
3 テロはいけない 逢坂剛『カディスの赤い星』
4 生活文化への関心 西村京太郎『終着駅殺人事件』
5 繋ぎとめる家族の絆 小杉健治『絆』・原?『私が殺した少女』
6 原発は恐ろしい 長井彬『原子炉の蟹』・真保裕一『連鎖』
7 心の神秘へ 宮部みゆき『魔術はささやく』
第5章 時代に取り残された個人── 一九九〇年代
1 もうイデオロギーはいらない 藤原伊織『テロリストのパラソル』
2 正義はあるのか 高村薫『マークスの山』
3 新宿は怖かった 馳星周『不夜城』・大沢在昌『新宿鮫』
4 この世は不確かなもの 東野圭吾『白夜行』
5 郊外主婦のバイトは死体解体業 桐野夏生『OUT』
6 老人の居場所はどこに 森純『八月の獲物』
7 強い女、戦う女 梅原克文『ソリトンの悪魔』・乃南アサ『凍える牙』
8 神秘を暴く 京極夏彦『魍魎の匣』
第6章 グローバルな社会、そして問われる歴史──二〇〇〇年代
1 少年は怖い 湊かなえ『告白』・薬丸岳『天使のナイフ』
2 家族は血で繋がるのか 笹本稜平『時の渚』
3 国家は国民を救えるか 垣根涼介『ワイルド・ソウル』
4 オリンピックで殺される者 奥田英朗『オリンピックの身代金』
5 奴隷解放も商売になる 戸松淳矩『剣と薔薇の夏』
6 組織と個人 横山秀夫『動機』・今野敏『隠蔽捜査』
7 書物がなければ善悪もない 北山猛邦『少年検閲官』
第7章 世界はどこへ向かうのか──二〇一〇年代
1 健康志向の果て 山田宗樹『百年法』
2 新人類の誕生 高野和明『ジェノサイド』
3 私は生きていく価値があるか 早見和真『イノセント・デイズ』
4 結婚に愛はいらない 阿部智里『烏に単は似合わない』
5 最下層の人々に生きる価値はない 宇佐美まこと『愚者の毒』
終?章 ミステリーが語る戦後社会
1 駐在さんは庶民とともに 佐々木譲『警官の血』
2 戦後三代 堂場舜一『雪虫』
3 世界はおかしなもの 桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』
4 一九六八年とは 米澤穂信『氷菓』
5 戦後ミステリーの語る歴史

「戦後社会史&ミステリー史」年表
あとがき


古橋 信孝[フルハシ ノブヨシ]
著・文・その他

内容説明

敗戦後の復興の光と影のなかで、『点と線』『ゼロの焦点』が書かれ、爆発的な人気を博し、推理小説に社会派という新たな流れをつくり出す。さらに、高度成長期へと続く時代のなかで、『海の牙』や『人喰い』、騒音公害を告発する『動脈列島』などの作品が生み出されていく―。ミステリーは謎解きが終われば、それで一応の役目は終わりとなるが、歴史のなかに位置づけることで、時代が抱える問題が鮮明に浮かび上がる。はたして、ミステリーは戦後社会をどう捉えてきたか。まったく新しい読み方で、一〇年ごとに時代を振り返る。

目次

序章 ミステリーとは何か
第1章 戦後の社会を書く―一九五〇年代まで
第2章 戦後社会が個人に強いたもの―一九六〇年代
第3章 高度成長した社会の矛盾―一九七〇年代
第4章 新たな世代の価値観と家族の再生―一九八〇年代
第5章 時代に取り残された個人―一九九〇年代
第6章 グローバルな社会、そして問われる歴史―二〇〇〇年代
第7章 世界はどこへ向かうのか―二〇一〇年代
終章 ミステリーが語る戦後社会

著者等紹介

古橋信孝[フルハシノブヨシ]
1943年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業、同大学大学院博士課程修了。武蔵大学名誉教授。84年「古代のうたの表現の論理」で第1回上代文学会賞を受賞。99年「和文学の成立」で文学博士(東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

124
日本の戦後のミステリー小説を十年ごとの区切りによって作品を解説してくれています。ほとんど名作といってもいいもので私もかなりの作品を読んでいます。横溝正史や鮎川哲也、松本清張、などから最近の薬丸岳、横山秀夫、阿部智里 などに至るまで世相とともに解説してくれているので昭和、平成の時代をミステリーからみたものになっています。未読の作品もあるので読もうという気になりました。2019/04/29

佐島楓

65
作品の紹介ごとにあらすじがついているが、作品執筆時(または作品に取り上げている時代)の時代背景に触れるだけならこんなに長く書かなくてもいいのではないか。かなりネタバレしてしまっており、読む気を削がれる可能性がある。2019/01/28

buchipanda3

53
文学者である著者が国内の名作ミステリ小説を通して戦後社会の風潮を捉えていくという本。「本陣殺人事件」や「人間の証明」、最近だと「愚者の毒」など60作以上が取り上げられており、書かれた時代の背景とリンクしてどんな風に語られるか興味が惹かれて読んでみた。娯楽小説を軸とする割に結構堅めな内容で読み進めにくかったのが正直なところ。作品の解説もネタバレしてて未読作品は注意を払って読むことに。ただ、戦後から70、80年代ぐらいの時代の雰囲気と作品の結びつきは新鮮な気持ちで読めた。この辺りの時代の作品をもっと読みたい。2019/02/18

34
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/06/post-be9513.html2020/06/25

そうたそ

19
★★☆☆☆ 日本の戦後をミステリーとともに繙いてゆくという、本書の試みの面白さに惹かれて手に取った一冊。だが本書がそのねらい通りになったかといえば、お世辞にもそうはいえないという印象。羅列的に記された各ミステリーに関する著者の批評に何とか戦後史を語ろうという試みは見られるものの、それよりも安易なネタバレがとても気になった。名前を知らなかった作品も結構ありブックガイドとしても読めるのかもしれないが、そもそも文章自体が読みにくく作品の魅力が伝わったかといえば、そこもまた厳しいなあ……と思った次第。2019/02/14

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