平凡社新書<br> 日航機123便墜落 最後の証言

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平凡社新書
日航機123便墜落 最後の証言

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  • サイズ 新書判/ページ数 326p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582858853
  • NDC分類 687.7
  • Cコード C0265

出版社内容情報

事故から33年を経た今も原因を巡る議論は続く。調査にあたった米運輸安全委員会など日米双方を徹底取材。証言を軸に全体像を描く。

《目次》
プロローグ──新聞へのリークを告白した男

第一章 御巣鷹という磁場
道なき道/遺族と記者の三十年/「どうぞ、ご無事に帰ってください」
突然断ち切られた命/事故や災害被害者の支援の輪/「命は蒸発していません」
遺族間の温度差/「当初は許せない会社でした」/事故調の結論
ライト兄弟が動力飛行に成功した聖地/多くの異論/二十六年目の解説書
どこか信じられない部分

第二章 米紙にもたらされたリーク
NTSBの調査担当者/「できるだけ早く日本に行け」/当初はテロの見立て
日米の不和を示す内部文書/「アンコントロール」/「ボーイングを信用できない」
爆弾の痕跡なし/ボーイングの修理スタッフが嗚咽/米国の信用にかかわる問題
日本の事故調キャップの記憶/ニューヨーク・タイムズの特ダネ
閉鎖的な日本の官僚主義/遺族から贈られた刺しゅう/「ドクター・カワキタ」
NTSB委員長の補佐役/川北宇夫の熱意

第三章 ボーイング社長の苦衷
「当面、日本には行くな」/ボーイングは「悪い奴ら」/誰が修理ミスを見つけたのか
「なぜ、勝手なものを表に出すんだ」/修理メンバーは「選りすぐりのチーム」
「隠しごとなんてない」/「フラッターの可能性はロー・キー」
「ミスター隔壁」の証言/運輸省検査官の自殺/ボーイングに出向していた日航社員
書類送検の四人/事故調査に関する日米のギャップ/元ボーイング社長への取材
「彼らは“正直なミス”を犯した」/米国は犯意を重視
ボーイングにとっての“心のとげ”/「ボーイングの偉人」は取材拒否
「自責の念を感じている」/日本とボーイングの間に入った女性検事
「日本側に協力するよう主張」/「ボーイングを守るためではない」
嘱託尋問はできなかったのか/廃棄された関連資料/米遺族の思い
第四章 消えない撃墜説を検証する
消えない撃墜・誤射説/戦闘機が追尾?/一笑に付せない
疑惑を向けられた護衛艦まつゆき/空中分解したTWA800便
テロと信じ込んだFBI/タンクから着火/「残骸はすべてを語ってくれる」
マレーシア航空機の撃墜/「調査に『打ち切り』はない」/目撃証言をどう評価するか
元日航機長の反論/「フライトレコーダーはねつ造できない」
悔やまれる海底捜索の断念/公表された米調査チームの報告書
調査チームの関心はR5ドアから圧力隔壁へ/修理ミスを明確に指摘

第五章 墜落は避けられなかったか──機長たちの証言
英雄が語る「ハドソン川の奇跡」/プラス思考の人/「何かアイデアあるかい?」
機長に求められる資質/ミスの連鎖が大事故へ/スーシティー事故の機長
「焦ったら死ぬよ」/CRMと低酸素症

第六章 スクープ記者たちの三十三年
レーダーから消えた航跡/確信を持った一報/急減圧の有無という焦点
ひとり歩きする「急減圧」/“諸悪の根源”は修理ミス/相模湾捜索の是非
なぜ墜落場所の特定が遅れたか/情報の混乱は作為的?/元航空自衛隊広報室長の回想
「ソフトの部分はまったくだめ」/米軍から出た新たな証言
事故対策の責任の所在が曖昧/「個人を裁くより再発防止」
法手続きをめぐる日米の違い/問われる警察の在り方/生存者救出のスクープ映像
「無理だから帰ろう」/スクープ記者の両親は日航社員だった
「こんなこと起きちゃうんだな」/生と死を分けた無情な現実/三十三年という年月

あとがき


堀越 豊裕[ホリコシ トヨヒロ]
著・文・その他

内容説明

墜落は避けられなかったのか―。三十年以上を経た今も、その原因をめぐって議論が続く日航機123便墜落事故。調査にあたった米運輸安全委員会、ボーイング社をはじめ、日米双方を徹底取材。多くの証言、秘話を軸に事故の全体像を描く。撃墜や誤射は果たしてあったのか。論争に終止符を打つ決定的ドキュメント。

目次

プロローグ―新聞へのリークを告白した男
第1章 御巣鷹という磁場
第2章 米紙にもたらされたリーク
第3章 ボーイング社長の苦衷
第4章 消えない撃墜説を検証する
第5章 墜落は避けられなかったか―機長たちの証言
第6章 スクープ記者たちの三十三年

著者等紹介

堀越豊裕[ホリコシトヨヒロ]
1969年岐阜県生まれ。95年早稲田大学商学部卒業後、共同通信社入社。神戸支局や琉球新報社出向、大阪社会部、ニューヨーク支局、ワシントン支局などを経て2017年から本社外信部次長。ニューヨーク支局勤務時の14年から日航ジャンボ機墜落事故の取材を始める。『日航機123便墜落 最後の証言』が初めての著作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rico

59
あの事故から30年余。原因について未だあれこれ取り沙汰される中、国内外の関係者や識者へのインタビュー、資料等を基に検証。印象に残ったのは事故に対する法的アプローチ。日本では、業務上過失致死という罪状が示す通り、ミスした個人が責任を追及される。必然的に口を閉ざす。事実が隠される。簡単には変わらないだろう。しかし様々なものが不可視化・複雑化する中、「罰して終り」から脱却し、事実を見極めミスから学ぶ、そんな風に変わることが必要なのではないか。事故の検証にとどまらず、リスク・安全管理などの面からも示唆に富む1冊。2019/09/08

oldman獺祭魚翁

53
図書館 以前青山氏の「日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る」を図書館で見かけパラパラ読みさせて貰ったが、想像通りの陰謀論だった。こちらの本は当時のアメリカ側(NTSB<米安全委員会>やボーイング社)担当者などのインタビューを行い、日米の航空事故に対する調査の姿勢(業務上過失罪の有る日本とそういう罪状が無いアメリカ)を背景にして、事故原因は後部圧力隔壁の修理ミスであると結論付けている。今後も稚拙な陰謀論は後を断たないだろうが、こういうきちんとした本が出るのは大切だ。2018/10/05

松本直哉

31
自らが訴追されるおそれがあるときは真実を話すよりも自分に有利な証言をするだろう。業務上過失致死で個人の責任を問うよりも、なぜ事故が起きたのか、真実を究明するほうを優先するアメリカの司法と日本のそれとの違いを知る。ボーイングの修理担当者の個人名がなぜ公表されないのか、何か隠蔽しているのではないかと多くの日本人は考えたが、個人を特定したところで誰も得をしないのも確かだ。人間の作り出した機械には万全を尽くしても間違いがつきものなのだからその被害の最小化への努力をすべきという教訓は、原発などにも言えることだと思う2018/08/21

みこ

25
著者自身が語っている通りこれだけの証言集はこれが最後かもしれない。航空関係者だけでなく報道サイドの人間にも取材をした行動力に脱帽である。元々青山説には否定的な考えを持っていたが、事故直後にアメリカが真っ先に疑ったのが撃墜説で底から調査して圧力隔壁説にたどり着いたことを考えると青山説には益々否定的になる。今年の初めに著者と面会した後にまた新たな本を刊行している青山氏は何か意地になっているのだろうか。それともこの事件からビジネスの匂いでも嗅ぎ取ってしまったのかと疑いたくなる。2018/08/28

hatayan

23
1985年の日航機墜落事故の原因を、共同通信の記者である著者が米国の関係者を中心に取材。ボーイング社の修理ミスという説はほぼ揺るぎないながらもいまだに諸説が飛び交うのは、ミスがあっても故意でない限り個人の刑事責任を問わず、再発防止への教訓とする「正直なミス」という、日本にはない米国の独特の考え方が影を落としているのではと指摘します。 大手紙の書評でも取り上げられた、自衛隊機のミサイルによる撃墜説を主張する日航の元客室乗務員にも取材。予断を排して合理的に検証していく著者の姿勢に好感を持ちました。2018/11/11

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