出版社内容情報
フェルメール、ゴッホ……。彼らはみな「音楽」を描いていた。かつてない視点で捉える音楽と絵画の幸せな関係。図版多数収録。
はじめに…………3
第一章 絵画に描かれた音楽
フェルメール、「愛」を奏でる絵画たち
シューベルト、青春の思い出
不倫の恋を浄化したばら色の聖母
アングルのヴァイオリン
永遠の「楽人」、オルフェウス
第二章 肖像画の光と闇
モーツァルトの「家族の肖像」
「演出」されたある生涯──マリー・ド・メディシス、ルーベンス、モンテヴェルディ
「不滅の恋人」が演出したベートーヴェンの肖像
ショパンとサンド、引き裂かれた肖像
芸術の国ロシアを担って──ムソルグスキーとレーピン
ルノワールを戸惑わせたワーグナーの「笑い」
アウトローたちが遺した「ピアノを弾く女性」──ゴッホとロートレック
第三章 はみ出し者たちの饗宴
異形者たちの都──ナポリ、カラヴァッジョ、カストラート
宮廷道化に託された人間の姿──ベラスケスと《リゴレット》
娼婦たちの世紀──《椿姫》とパリの劇場
「お針子」たちの夢──《ラ・ボエーム》とルノワール
第四章 運命の女
「ルネッサンスの女王」のジレンマ──イザベッラ・デステとダ・ヴィンチ
「宿命の女」がもたらしたもの──芸術家たちを熱狂させたサロメ
「サロンの女王」の宿命の恋──マリー・ダグー伯爵夫人とリスト
ミューズに出会った二人のグスタフ──クリムトとマーラー
「約束」された傑作──ココシュカとアルマ・マーラー
それぞれの「狂乱」──オフィーリアとマクベス夫人
友情を引き裂いた「あの女性」──カンディンスキーとシェーンベルク
第五章 アートで読み解く近代ヨーロッパ
マリア・テレジアの憂鬱
音楽を愛した「文人王」の変貌──フリードリヒ大王
まぼろしの皇位──マクシミリアンとマネ
一八五九年の「神話」──アイエツとヴェルディ
「黒船」の音楽の目撃者たち
第六章 印象派とジャポニスム
印象派のめざめ
「日本」への憧憬──ジャポニスムと日本オペラ
「千年にひとり」の日本人が遺したもの──北斎とセザンヌ
ヨーロッパを魅了した江戸名所──広重と《蝶々夫人》
第七章 世紀末から20世紀へ
世紀末を先駆けた華麗なる総合芸術──マカルトとワーグナー
「ミュシャ」から「ムハ」へ
コスモポリタン的「国民画家」の悲劇──ガッレン=カッレラとマーラー
天才たちの総合芸術──ムンク、イプセン、グリーグ
抽象絵画が音楽にめぐりあうと──モンドリアンとニューヨーク
絵筆とお米と音楽と──パウル・クレー
マヨルカの響き──ショパンとミロ
隠された共作者──シャガールの天井画
あとがき
参考文献抄
加藤 浩子[カトウ ヒロコ]
著・文・その他
内容説明
絵画と音楽、この二つの芸術はつねに並走してきた。あるときには楽器演奏者や作曲家が絵に描かれ、またあるときには双方が共通するテーマを取り上げてきた。ある芸術家は音楽家になろうか迷った末に画家となり、ときには画家と音楽家が「宿命の女」をめぐって争った。気鋭の音楽評論家が読み解く、名画と音楽の間の秘められた関係。
目次
第1章 絵画に描かれた音楽
第2章 肖像画の光と闇
第3章 はみ出し者たちの饗宴
第4章 運命の女
第5章 アートで読み解く近代ヨーロッパ
第6章 印象派とジャポニスム
第7章 世紀末から二〇世紀へ
著者等紹介
加藤浩子[カトウヒロコ]
東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、同大学大学院修了(音楽史専攻)。大学院在学中、オーストリア政府給費留学生としてインスブルック大学に留学。大学講師、音楽物書き(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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