出版社内容情報
昭和を生きた人々は食に自らの心の安らぎを求めたのか? その時代を中心に活躍した著名人30名の生き方と食の結びつきを探る。
《目次》
はじめに…………9
一、時代もの歴史もの
藤沢周平?──?浪人者のふるさと…………14
一分銀にかける命/二足のわらじ/寒の鱈、春の筍
司馬遼太郎?──?「食」の街道をゆく…………20
ドライブ・イン/そばの店にて/歴史を食べる
川口松太郎?──?浅草のめし、ハワイのめし…………27
浅草の少年/原作・川口松太郎/ホノルルの粥
吉川英治?──?飢餓線上に立つ…………34
『忘れ残りの記』/黒土は神の肌/食も人生味
二、スターの周辺
高倉健?──?ロケ地の豚汁とカレー…………42
コーヒー好き/摂生は主役の義務/旅と巡りあい
小津安二郎?──?とうふの果てのがんもどき…………49
慄然とするシャレ/食べもの日記/酒は緩慢なる自殺
美空ひばり?──?入魂「悲しい酒」…………56
そばでつながる/手づくりの塩辛/酒が最後の友
淀川長治?──?ヒッチコックの?鶏?…………63
酒が飲めれば監督/切ない食/殺しの担当は夫人
三、東京エッセイ
池部良?──?戦争は?めし?で負けた…………72
理不尽のかたまり/映画の食うちそと/友だちのいない主役
吉田健一?──?大人の味わい方…………80
すごい小説「海坊主」/銀座の静けさ/名著『私の食物誌』
高橋義孝?──?生きているのが嫌い…………86
文章の面構え/弁慶の泣きどころ/梅干しの吸いもの
四、笑いの源泉
やなせたかし?──?アンパンマンは、食べられる…………94
おっさんのアンパンマン/おでん事件その他/ごめん土佐生姜
手?治虫?──?洋食派漫画家…………102
見えにくい私生活/空腹体験と大食/治虫のいるレストラン
横山隆一?──?焼いもと柿の実…………109
隆一ワンダーランド/なにが食の豊かさか/辛ジャケの修業
田河水泡?──?のらくろ、長寿の秘訣…………115
あれは、俺のことだよ/朝めしと負けおしみ/憩いはガーデニング
五、 旅と日常
松本清張?──?黒の食事…………122
犯罪者たちの「食」/やすらぎの食/ある離脱の願望
有吉佐和子?──?女を自由にするもの…………129
急いでいた人/不気味な食欲/見届ける畑と海
神吉拓郎?──?淡い夢の味…………135
細く長く/二冊の本/食べる物語
杉浦明平?──?渥美半島、種蒔く人…………141
バンカラ男の「明平さん」/甘味の地獄と極楽/明け方のウォツカ
六、 画家の視界
岡本太郎?──?ドカンとくる空腹感…………148
文化をつかんだ人/食べる祈り/手紙とすき焼き
小絲源太郎?──?不忍池を田んぼにするな…………154
「揚出し」十代目/疎開をしない理由/好物はうなぎ?
竹久夢二?──?最後はすし…………161
福神漬と山の神/京のえんどう豆/最後の手紙の最後の一行
七、 都会の休息
植草甚一?──?街を歩いて、コーヒー…………170
八万円のJ・J本/「ぶどう餅」その他/コーヒーの肴は本
須賀敦子?──?野菜の匂うヴェネツィア…………176
回想のスパイラル/虫のいるチーズ/会食という握手
澁澤龍??──?さあ、スパゲッティだ…………183
悪魔を書く天使/眠くなる旅/塩ラッキョー
平野威馬雄?──?京都、鮎香るころ…………190
ある横顔/銀座の「西洋」/山端の茶屋
八、 話術あり俳味あり
林家三平?──?チョコレートパンが食べたい…………198
街の落語家たち/根岸の地味めし/もう一人の三平
安藤鶴夫?──?いい人間の料理はうまい…………205
忘れ得ぬ表札/大酒飲みの甘党/食べもの屋のひととき
中村汀女?──?鬱気を払う和菓子…………212
生きている銘菓案内/酒とたばこと恋/パッケージ批評
江國滋?──?打ち上げ、やりましょうや…………219
ダメな編集者/船津屋の夜/菊屋の雑炊
あとがき…………225
主な参考文献…………227
磯辺 勝[イソベ マサル]
著・文・その他
内容説明
昭和期に活躍した人々の多くは、その子どものころ、戦争による飢え、ないしは飢えに近い体験をしている。だからこそ、めしが食える人間になろうとした一方で、決して、成功体験にあぐらをかくことはなかった。そして、そこには、わけもなく贅沢をする姿や、美食のための美食を追求する気質はみられない。果たして、食を通じて見えてくる、30人の素顔とは。
目次
1 時代もの歴史もの
2 スターの周辺
3 東京エッセイ
4 笑いの源泉
5 旅と日常
6 画家の視界
7 都会の休息
8 話術あり俳味あり
著者等紹介
磯辺勝[イソベマサル]
1944年福島県生まれ。法政大学卒業。文学座、劇団雲に研究生として所属。その後、美術雑誌『求美』、読売新聞出版局などの編集者を経て、エッセイスト、俳人に。俳号・磯辺まさる。99年第4回藍生賞受賞。俳誌『ににん』創刊に参加する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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niz001
あー
かよすこさん
S_Tomo🇺🇦🇯🇵
ごいんきょ