出版社内容情報
「愚管抄」は歴史の道理=法則を探る歴史理論書ではなく自らの政治理念の崩壊を目の当たりにした政治論である。敗北の政治思想。
《目次》
はじめに
第一章 上皇をお諫め申す──承久の乱前夜
1 君の不心得は由々しき大事
2 こはいかにと驚き覚めさせ給へ
3 この僻事あるまじき也
4 道理をだにも心得取らせ給へ
第二章 摂関政治は神々の約束──君臣魚水合体の理念
1 国王は天皇家、摂?は藤原氏
2 魚水合体の政治理念
3 理念の曲芸──北野の御事
4 血脈合体の政治
5 摂関家専権の論理
6 慈円の政治世界
7 世の中おぼつかなく
第三章 日本国の乱逆──保元平治の乱
1 世も末の政治
2 上皇と近臣ども
3 四分五裂する君と臣
4 君と君、臣と臣の戦い──保元の乱
5 義朝は親の首切りつ
6 院近臣の内ゲバ──平治の乱
7 源平の前哨戦
第四章 摂関家の挽歌──武者の世を追認する
1 摂?臣の御事などは議に及ばず
2 なお続く朝廷社会の暗闘
3 武者の世に茫然自失する
4 京の都、酸鼻の極み
5 武家こそが神器宝剣の代わり
6 朝廷社会の「外部」としての政治
7 九条家の挽歌
第五章 王法仏法は牛角のごとく──権門化する仏法
1 王法仏法相依の政治
2 政治概念としての仏法
3 仏法は理念たりえず
4 仏法は加持祈祷
5 外部の力、怨霊・悪霊・霊鬼
6 法然往生、さる確かなこともなし
7 知識人、慈円
第六章 敗北の政治思想──乱世と知識人
1 政治はあるのか
2 「世の中」という政治
3 これぞ奇謀の定石
4 現実政治に規範はあるのか
5 アリストテレスと聖徳太子を参照する
6 「失せゆく政治」という政治思想
7 立ち現れるもう一つの政治
終章 諫言ふたたび
あとがき
長崎 浩[ナガサキ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
乱世に一人の知識人がいた。愚管抄を書き残した慈円である。書かれているのは、しかし言われてきたような歴史の道理を明らめた歴史理論ではない。慈円の「道理」は融通無碍で原理であるに堪えない。それはリアルタイムの政治論、自らの政治理念の主張とその挫折の記録である。いま、もっとも腑に落ちる愚管抄読解!
目次
第1章 上皇をお諌め申す―承久の乱前夜
第2章 摂関政治は神々の約束―君臣魚水合体の理念
第3章 日本国の乱逆―保元平治の乱
第4章 摂関家の挽歌―武者の世を追認する
第5章 王法仏法は牛角のごとく―権門化する仏法
第6章 敗北の政治思想―乱世と知識人
終章 諌言ふたたび
著者等紹介
長崎浩[ナガサキヒロシ]
1937年生まれ。東京大学理学部卒業。東京大学物性研究所、東北大学医学部、東京都老人総合研究所、東北文化学園大学に勤務。評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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