出版社内容情報
不確実性に満ち溢れた「リスク時代」に必要な経営戦略とは何か。リスクやリスクマネジメントという視点から経営学の名著を読み解く。
【著者紹介】
大分県立芸術文化短期大学教授
内容説明
経営学は、成功のための学問と捉えられがちである。だが、実は企業にとってそのリスクマネジメントを説いている。マイケル・E・ポーターの有名な「戦略ポジショニング」も、現実の競争というリスクのなかで、いかに生き残るべきかという思考であった。不確実性に満ちあふれたリスク時代だからこそ、名著を「リスク」で読み解くことで、経営戦略の本質がみえてくる。
目次
第1部 経営戦略編(戦略なき経営がもたらすリスク;「強み」を活かしてリスクを抑える;イノベーションがもたらすリスク;不確実性下の意思決定;マネジメントが意味するもの)
第2部 リスク管理編(人や企業はなぜ失敗するのか;「沈まぬ帝国」はあり得るか;「リスク時代」の経営とは)
著者等紹介
植村修一[ウエムラシュウイチ]
1956年福岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、日本銀行入行。調査統計局経済調査課長、大分支店長、金融機構局審議役などを経て退職。民間会社や独立行政法人経済産業研究所に勤務ののち、2013年より、大分県立芸術文化短期大学国際総合学科教授となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yasuaki Michigoe
1
純粋な経営学者の方が書いたのではないが(何方かと言えば経済畑のキャリアの筆者)、マネジメントをリスクという観点で捉えた時、過去のマネジメント・戦略に関する著作からどのような示唆を得られるのか、と問いかけるのが趣旨であった。 リスクと不確実性は大きく異なるが、リスクには少なくとも対応できている必要がある。しかしながら、「合理性・効率性・生産性」という大義名分のもとおろそかになりがちで、本来回避できたはずの問題をより大きくしているリスク管理について重要性を再認識しようとする本書。一読することをお勧めする。2016/03/06
センケイ (線形)
0
率直なところ、目録のような一冊だ。思い至らなかったさまざまな視点を得ることができ、その点では大いに役立った。いっぽう、課題がある経営に対しての個別の代案は詳しく述べられないが、そもそも代案をこうだと言い切る不可能さを、暗に体現しているのかもしれない。それゆえ実用上は、個別の経営論にあまり没入せず、この本のところで留めておくか、入るとしてもある多少距離をとって接した方が良いか、というのが素朴な印象だ。参考文献は多岐にわたり、個人的には、企業倫理が損なわれるメカニズムや、史実上の決戦などにより深入りしたい。2016/11/12
数太郎
0
経営学をリスク管理の観点からとらえたありそうでなかった一冊。日銀出身者ならではか。2024/09/06