出版社内容情報
世界中のトイレで用を足してきた著者が、各地のトイレにまつわる変わった事例を集め、その背後に潜む文化的・社会的事情を考察する。
内容説明
和式/洋式という二項対立的な呼び方のせいで、西洋のトイレはすべて洋式と日本人は思いがちだ。しかし、ロシア(旧ソ連)各地や東欧圏では和式(しゃがみ式)トイレが主流であり、西欧においても農村などでは同様のトイレが散見される。つまり、和式/洋式という図式で考える見方は誤りなのだ。「和式トイレ」の観察・分析を柱に、世界各地のトイレの背景にある社会的・文化的事情を読む。
目次
第1章 「和式」「洋式」を考察する
第2章 トイレとプライバシー
第3章 目はどこを向いている?
第4章 トイレット・ペーパー談義
第5章 自然と排泄―トイレの言語学
第6章 やんごとなき方々のトイレ
著者等紹介
ヨコタ村上孝之[ヨコタムラカミタカユキ]
1959年生まれ。大阪大学大学院言語文化研究科准教授。東京大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化専攻単位取得退学(文学修士)。プリンストン大学比較文学科修了(Ph.D.)。著書に『色男の研究』(角川選書、第29回サントリー学芸賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふろんた2.0
20
終始トイレの話なので、心の準備をしていないと読み進めるのがきつい。しゃがんでする和式は実は日本だけでないんですね。ソチ五輪で話題になったロシアのものもあるように、個室になっていないものも結構あるようで。それにしてもトイレとトイレットペーパーに関する国内の文献の多いこと。日本人のトイレ好きは何なんだ。日本のトイレが世界標準になって欲しいなあ。2015/10/05
ゆきこ
19
世界各地のトイレについて紹介し考察している一冊です。トイレの本ですので、下の話が苦手な方は要注意です(笑)日本人は和式(=しゃがみ式)と洋式(=腰掛け式)にトイレを分別するが、世界的・歴史的に見てその分別認識は正しいのか?という、普段あまり気にしない視点に気づかせてもらいました。写真もたくさん載っていて色々とおもしろい本でした。2017/09/28
雲をみるひと
18
トイレの場所、しゃがみ式トイレの分布、プライバシーなどトイレについて歴史的な経緯も含めて言及した本。正式な研究本というよりは趣味本的なアプローチのため軽くて読みやすい。特に外国のトイレについて我々が持っているイメージが変わる指摘が多数されている。2021/03/16
C-biscuit
13
HONZで紹介があった。業務にも関係するので興味があり読む。トイレは深い。自分も田舎育ちなので、小さい時は、外雪隠のおつり付き便所であった。今考えればありえない感じであるが、この本を読むと世界のトイレ事情がよくわかる。洋便、和便の対決の構図を作りたがる本であるが、日常からはそんな感じはしない。今の時代を生きていると自分が生まれる前のことは、かなり昔のことのように感じる。世界のトイレ事情の革新もここ100年の出来事であるように感じる。いまからでは想像もつかない。世界にはまだまだすごいトイレが存在している。2015/10/02
魚京童!
12
そうか、別に見る気はないのだから、個室の意味はないのか。2015/11/03