平凡社新書<br> 女性画家たちの戦争

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平凡社新書
女性画家たちの戦争

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  • サイズ 新書判/ページ数 215p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582857801
  • NDC分類 723.1
  • Cコード C0271

出版社内容情報

第二次世界大戦中、女性画家は男性画家と同様に戦争の光景を描いた。当時を生きた長谷川春子、桂ゆき、三岸節子などの足跡を紹介。

はじめに

第1章 昭和の画壇事情

1、大正末期から昭和初期の画壇
文展VS在野団体/新しい潮流/帝国美術院改組と国家統制
2、女性画家と画壇
女性画家グループの結成/朱葉会/日本画の女性グループ/女艸会/七彩会/彼女たの「励まし合い」/文学におけるネットワーク/女性画家の「均質性」/プロレタリア美術運動と女性/画家と経済的自立/女性画家と前衛美術
3、美術教育
東京美術学校と女子美術学校/教育内容における「差異化」
4、女性画家と画題
「ふさわしい」画題/あまり描かなかったもの
5、社会は女性画家をどう見ていたか
「洋画」を学ぶことの困難/彼女らへの関心と批評/作品と「女性らしさ」
/「女性特有」への期待/評価の変化


第2章 開戦、女性画家たちの行動
 
1、 戦争と画家
日中戦争から太平洋戦争へ/洋画家の危機感/戦争と画家団体/「銃後」の図像/「祈る女性」と「闘う兵士=男性」
2、

内容説明

第二次世界大戦中、女性画家たちは戦争を描いた。長谷川春子、桂ゆき、三岸節子、そして女性画家集団・女流美術家奉公隊らによる数々の作品は激動の時代を生き抜いた女性たちの証であり、後世に語り継ぐべきものである。これまで語られることのなかった、「もうひとつの美術史」―。

目次

第1章 昭和の画壇事情(大正末期から昭和初期の画壇;女性画家と画壇;美術教育;女性画家と画題;社会は女性画家をどう見ていたか)
第2章 開戦、女性画家たちの行動(戦争と画家;女性と戦争;女流美術奉公隊;“大東亜戦皇国婦女皆働之図”)
第3章 彼女らの足跡(長谷川春子;桂ゆき(ユキ子)
三岸節子)
第4章 敗戦、画家たちのその後(「戦争と美術」論争;戦争画の戦後;女流画家協会と女流美術家協会;女性画家と戦後)

著者等紹介

吉良智子[キラトモコ]
1974年東京都生まれ。98年日本女子大学人間社会学部卒業。2000年学習院大学大学院人文科学研究科修了。05~08年神奈川県立近代美術館非常勤学芸員。10年千葉大学大学院社会文化科学研究科修了。博士(文学)。現在、千葉大学大学院人文社会科学研究科特別研究員、東洋英和女学院大学、京都造形芸術大学、実践女子大学非常勤講師。『戦争と女性画家―もうひとつの近代「美術」』(ブリュッケ)で第29回(2014年度)女性史青山なを賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ありんこ

3
銃後という言葉を初めて知りました。朝ドラなどで、戦争中の女性がどのように生きたかというストーリーは見たことがありますが、「皆働之図」にあるような仕事のことや、女性画家の立場のことなどを知ることができました。時代の変化によって生き方や働き方が左右されること、その変化の中で自分を見失わないためにはどうすべきか、考えさせられました。2022/10/10

ぴの

2
著者の祖母は戦争の時書かれた絵を見て「なつかしい」と言ったそうだ。そこから話に吸い込まれてく。どうして女流という言葉はあるのに男流という言葉はないのか。戦争を利用して女性の立場を上げていこうとする姿。いろんな角度から戦争を知ることは意味あることだと思う。2015/09/11

ずー

1
戦争に協力するとはなにごとか!と後から言うのはたやすいが、戦時中に女性が働かざるをえなくなった状況(国家の本音としては家父長制を温存しておきたいという状況ではあったが)をある意味利用し、花や子供といったモチーフしか許されていなかった女性画家が「働く女性」を描くことができたという状況に、なんともいえない気持ちになってしまった。また、三岸節子に興味を持った。当時としては(というか今でも)非常に先進的な思想の持ち主で、現代で活躍してほしかったと思う。皆働之図が焼却されずに残ったことに、アーカイブの意義を感じた。2021/12/17

yui

0
今年特に注目されている戦争画、女性画家たちも勿論絵を描いた。女流美術奉公隊による作品に着目し、戦争画における位置付けと、女性画家ないしは、女性そのものに国家が求めていたものを紐解いていく。近代における戦争と美術の流れも把握できるのに新書という読みやすさ。2015/12/01

tkm66

0
着眼点は面白いんだが・・いや、タイトルも・・この〈しっくり来ない感じ〉はなんでしょうね。2015/10/09

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