出版社内容情報
中小企業の転廃業が進む中、事業再生の切り札としてのM&Aが増えている。売り手・買い手にシナジー効果を生み出すノウハウを紹介。
内容説明
今後10年間で全国の中小企業約三八五万社の半数が存続の危機を迎えるともいわれるなか、事業再生の切り札としてのM&Aが増えている。赤字企業(部門)だからといって事業価値はゼロではない。下町の経営者親子がM&Aを成立させる物語を通して、売り手・買い手双方に相乗効果を生むノウハウを解説。
目次
第1章 Xデーがきた―苦渋の決断
第2章 倒産危機から再生への歩み
第3章 経営者の孤独―口の固い者がM&Aを制する
第4章 売り手と買い手、それぞれの鉄則
第5章 社員たちのM&A
第6章 「私的再生」という出口戦略
著者等紹介
川原愼一[カワハラシンイチ]
1955年東京生まれ。事業再生コンサルタント。(株)S.K.I.ビジネスパートナーズ代表取締役。98年、インターネットを利用した旅行関係の企画販売システムを開発してITベンチャーに進出するも、資金繰りの悪化から2000年に経営破綻。2億円以上の債務を抱えながら自力で債務問題を解決。02年よりその経験を生かして事業再生コンサルタントとして活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あすなろ
61
実は僕は持っているだけで使ったことない資格を持っている。それは税理士。亡き父が税理士事務所を開業していて、突然亡くならなければ跡を継いでいたのだろう。今、その跡を継いで事務所を経営していたらこの本が書く世界を身を以て体験しているのだろう。取り上げられている事例で、年老いた創業者が会社を大きくしようとして頑張ったが大きくなったのは借金ばかりだったと従業員に語るシーンがありその系譜の記述があるが、当時の顧問先のBSやらビジネスモデルやらを顧問先訪問と共に思い起こすと一塩の感あり一気に読了。2018/12/09
清游@草ぶえの丘で森林浴♨︎
22
2020年年末もこの書籍を手に取ってました^ ^2021/12/10
あああ
4
面白い。これ一冊で何かができるようになるわけでもないだろうが、M&Aや企業再生のイメージをつかむ上では良書だと思う。とはいえ、こんな上手くいく事例はそうそうないだろう。実際のところは、どうなることが多いのか。DESはシャープの再建策として度々話題に出ていたが、DDSはいまいちイメージがつかない・・・。2016/03/15
Hiroki
4
数年前から、大企業だけでなく中小企業でもM&Aが一般化すると言われてきたが、その具体的なケース。企業の中に、黒字と赤字の事業があり、もう赤字の事業が存続させられないというケースを放っているような企業が日本には多くあるという。それでも、そういう事業でも、嫁ぐ先が見つかるようなケースがある。このような本のおかげでM&Aが実際どのくらい難しいか(現実的か)わかる。DPOやリスケジュールと呼ばれる方法も良く分かった。2015/01/04
しんのすけ
2
年商6億円の大田区の部品会社がコア事業であるIT部門を競合会社に売り渡すM&Aをドキュメンタリーで買いた小説(?)読み易く、売り手の会社が手続面や心象面でどれだけ辛い思いをし、大きな判断を下して行くのかがわかる。 逆にあまり細かい部分については専門書にお任せ。2017/06/28