出版社内容情報
戦国時代の武将たちの社交の場に臨み、諸国を回った「連歌師」は、インテリジェンス、ネゴシエイターでもあった。
内容説明
戦乱の時代にはあやしい異能者が跋扈する。戦国時代に最も活躍した「連歌師」もその一種であった。彼らはただ和歌や連歌を詠んだり指導したりしていただけではない。諸国を廻り、武将間のメッセンジャーやネゴシエイターをつとめ、困窮する公家のサイドビジネスの口利きをするなど、「裏稼業」を通じ、戦国の世に欠かせない存在となっていった。芸能人という身分で戦乱の世を駆けめぐった連歌師。その行動と軌跡は、乱世の裏面をうかがわせる。
目次
第1章 武将はなぜ連歌をしたのか
第2章 連歌師と武将
第3章 三人の連歌師
第4章 公家と連歌師
第5章 連歌、武家の行事となる
第6章 連歌の「意図」を読む
第7章 軍師の連歌
第8章 連歌その後
著者等紹介
綿抜豊昭[ワタヌキトヨアキ]
1958年東京都生まれ。中央大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、筑波大学図書館情報メディア系教授、知的コミュニティ基盤研究センター・センター長。現在の関心研究領域は、短詩型文芸(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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軍縮地球市民shinshin
9
予想していた内容とはちょっと違っていた。連歌師はスパイのような役割をしていたと最初の方にふれていたので、そういう実例がたくさん出てくるのかと思ったら全然そんなことはなく、なんか論点が散漫になってしまっていて終了。2018/09/13
しゃむ・しゃむ
2
お茶と同じように当時の文化サロンの中心であった連歌。それを生業とする連歌師は、武士の庇護の元、人脈を駆使して情報を伝えた。もっと情報屋としての連歌師を読みたかったなあ。2018/10/12
getsuki
2
戦乱の世に爆発的な流行を見せた連歌。成り立ちから連歌師の担った役割までを網羅した一冊。創作のヒントになりそうなネタがゴロゴロと……面白かった。2015/01/30
はちめ
2
連歌の本は初めて読んだので新鮮。現代社会でもコミュニケーションツールとして使えるかもしれない。おすすめです。2014/12/07
yuzi
1
大学時代の関係で1冊。時々は自分の興味がなくとも人に勧められたものを読むのもいいですね。知識の幅が広がる。今季の大河の主役・明智光秀が参加した連歌会の話もでてきて、時間差タイムリー。戦国時代に流行した連歌について、江戸時代の往来物を多く所有する筆者が江戸時代にはどのように紹介されていたかを述べていたり、様々な著作に登場する連歌や連歌師について紹介している。連歌そのものについての解説ではないので、結局”連歌とはなにか”はあまりよくわからなかったが、どのように伝わっていたのかはわかったつもりになれた。2020/02/16