出版社内容情報
与謝野鉄幹から吉本隆明まで、この百年、激動の時代を生き抜いた詩人たちによる、それぞれの大切な人に向けられた悼詞を厳選・紹介。
与謝野鉄幹から吉本隆明まで、この100年、激動の時代を生き抜いた反逆者たちによる、それぞれの大切な人に向けられた悼詞を厳選・紹介。今、人を悼むとはいかなることかを考える。
目次)
はじめに
第?T部 時代・反逆・否定
第一章 大逆の渦に
1
内容説明
社会主義者からアナーキスト、抑留兵、詩人まで。日本の近代に抗い生きた「逸脱者」たちの迎えた最期、その生に捧げられた追悼の言葉には、今なお人々の心を根底から揺さぶりながら死を噛みしめることを生きる力に変える強度がある。
目次
第1部 時代・反逆・否定(大逆の渦に;戦禍の代償)
第2部 生き難き世を生き(父子の肖像;家族の星霜;同志の応え)
著者等紹介
正津勉[ショウズベン]
1945年福井県生まれ。同志社大学文学部卒業。72年、詩集『惨事』(国文社)でデビュー。81年、ミシガン州オークランド大学客員詩人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Y2K☮
4
著者とは面識がある。酒と女と山を愛する陽気なオジサン。「文学が馬鹿らしくなった」と嘯きつつ、話題に上ると目が笑っていない。不用意にボードレールの話をして「何を云ってるんですか?」と穏やかに凄まれた。そんな詩人のデカダンな顔が覗ける反戦反体制の一冊。紹介される全ての詩人が壮絶。言葉が出て来ない。芸術家は弱者の味方だが、それ以前に弱者中の弱者こそ実は特権階級と悟り、報われぬ人生の中で抗える生命力こそ詩人の資格なのかも。ウォッカの一気飲みより強烈なので安易にお勧めできないが、芸術より芸術家を愛する人なら或いは。2014/10/10
マウンテンゴリラ
1
言葉というものは、日常を離れて初めて思想化されるものである。とすれば、そのもっとも日常から離れた死に対して贈られる言葉が、最も思想化されたものであるのかもしれない。表面的に生を明るく豊かにするものではなく、生きることの意味を否定も含めて問いかけてくるような異様さや絶望を通過したものだけが、本当に信頼できる言葉で有り得るのかも知れない。今の時代、悼詞にさえ体裁良くマニュアル化された、あるいは美しく飾り立てられた言葉が氾濫しているような気もするが、そのような現代社会の偽りを暴くような迫力が感じられた。2016/06/06