平凡社新書
万国博覧会の二十世紀

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582856903
  • NDC分類 606.9
  • Cコード C0220

出版社内容情報

「アメリカの世紀」を宣言した1915年サンフランシスコ博、アール・デコのスタイルを広めた1925年パリ装飾博など、代表的な万博を通して「二十世紀」を読み直す。

内容説明

世界中のさまざまな物と人が一堂に会する万国博覧会。万博については十九世紀のものがよく語られるが、二十世紀のそれはどんな特徴をもっているだろうか。「アメリカの世紀」を宣言したサンフランシスコ博(一九一五)、“アール・デコ”を世界に広めたパリ装飾博(一九二五)、植民地政策の啓蒙を図ったパリ植民地博(一九三一)…。エポックメイキングとなった万博を通して、「二十世紀」を読み直す。

目次

第1章 “アール・ヌーヴォー”の頂点―一九〇〇年パリ博
第2章 環太平洋文化の幕開け―一九一五年サンフランシスコ博
第3章 “アール・デコ”の登場―一九二五年パリ装飾美術博
第4章 コロニアル文化の最後のきらめき―一九三一年パリ植民地博
第5章 「進歩の世紀」とアメリカ資本主義―一九三三年シカゴ世界博
第6章 近代生活の光と影―一九三七年パリ“芸術と技術”博
第7章 インダストリアル・デザインの勝利―一九三九年ニューヨーク博
第8章 壊れた人間像の再構築―一九五八年ブリュッセル博
第9章 “スペース・エイジ”の到来―一九六四年ニューヨーク博
第10章 忘れ去られた万博―一九七〇年大阪博
第11章 長い空白期を過ぎて―ポスト・モダンの万博

著者等紹介

海野弘[ウンノヒロシ]
1939年東京都生まれ。評論家。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経て、美術・映画・音楽・都市論・歴史・華道・小説などの分野で執筆活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネムル

8
ヨーロッパ中心の科学技術展としての万博が、二十世紀以後に文化芸術展としての側面も表れ、また科学がスペクタクル・見世物化していく流れがよくわかる。世界大戦・恐慌・冷戦下で、政治的な駆け引きや情報戦争の場として利用されているのが興味深い。というか、戦争の影に怯える37年のパリ博にドイツ・イタリアが堂々参加してファシズムのプロパガンダ映画を流す一方で、スペイン館にピカソの「ゲルニカ」が展示されていたというのだから、想像するだにヒヤヒヤするわ2013/08/15

misui

7
1930年代までは植民地主義(帝国主義)的な性格の色濃いイベントとして、やや無邪気にインダストリアルとデザインを追い求めていた万博は、戦争や恐慌を通過してスペクタクルな場に変貌していく。1937年のパリ博にゲルニカが出展されたという点だけでも胸焼けが。インダストリアルのイギリス、デザインのフランス、万博を利用して都市計画を進めたり情報戦の場にしたりと合理的なアメリカ、影の薄い日本と、各国の個性が興味深い。大阪万博以降はマルチメディアが台頭して万博の意義が薄れたという指摘も。2014/10/05

dilettante_k

5
13年著。1900年のパリ博から70年の大阪博まで、20世紀に開催した代表的な10の万国博を取り上げ、開催の経緯と展示のコンセプト・概要を紹介。30年代には役割を終えたとする通説を各ケースを通じて洗い直し、21世紀の現代まで続く意義を探る。著者の経験を踏まえた大阪博を除き、概ね参考文献に則した記述で、時代背景を反映したテーマや展示内容、事実関係に発見や面白さはあるものの、「万国博とは何か」という問いは検証が不十分なまま投げ出され凡庸な結論に終わる。思索の足がかりには心もとなく、あくまで入門書に留まる。2014/08/11

S_Tomo🇺🇦🇯🇵

3
1900年のパリ博から1970年の大坂万博までを中心に、20世紀に行われた万博について考察するとともに20世紀という時代を読み解く一冊。 世界の覇権がヨーロッパからアメリカに移り、そしてアジアの台頭、という世界の流れや、人々の関心事、技術と芸術の関係、そして国家から民間へ万博の主役が変動していった20世紀がどんな時代だったのかがよくわかる。2013/07/28

TERRY

2
1964年のニューヨーク博の記述が面白い。ディズニーが作ったビジネスモデルのおかげで大成功ってのが、50年前から続いてるとは驚きです。2016/12/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6875169
  • ご注意事項

最近チェックした商品