出版社内容情報
不安定化する社会のなかで急浮上する「コミュニティ待望論」の真相とは?政治思想、経済学、社会学の分野から、近代が抱える課題を浮き彫りにするコミュニティの現状を読み解く。
内容説明
「コミュニティ」という言葉が急速に使われはじめている。しかし、私たちがコミュニティに期待する「つながり」や「絆」、「相互扶助」は、様々な社会的・政治的文脈にさらされ、手放しで喜べるものではなくなっている…。コミュニティの現在を問うことで、ポスト成長社会の課題を浮き彫りにする。政治哲学、経済学、社会学の分野からコミュニティ研究の新たな地平を切り開く!
目次
第1章 政治哲学 コミュニティ再生の両義性―その政治的文脈(コミュニティへの関心の背景;コミュニティにはどんな意味が含まれているか;統治の再編とコミュニティ;コミュニティ再生をめぐる諸課題;コミュニティ再生のポテンシャル;二つのコミュニティの間)
第2章 グローバリゼーション・経済 豊かさを共有できた時代の終焉(「共同体」の復権?;「ローカル」のグローバル化;いま格差/貧困の何が問題か;セーフティ・ネットは可能か)
第3章 社会学 ポスト3・11の地層から―いまコミュニティを問うことの意味「コミュニティ・インフレーション」化する社会(災害ユートピアとショック・ドクトリンの間で;コミュニティ期待論/願望論とリベラル・ナショナリズム;コミュニティにおける「地域性」と「連帯性」;創発的はコミュニティの可能性;3.11後の「生活の協同」に向けて)
鼎談 コミュニティ研究の射程と、現代への問いかけ(近代の捉え直し。コミュニティ論が浮上するわけ;ナショナリズムとコミュニティの相互関係;ナオリベラリズムとグローバリズムの影響;コミュニティは日本でどう論議されてきたか;コミュニティに資源を呼びこむことは?;地域運動の争点とは。それぞれのコミュニティの担い手;「あっったけど、なかった」論)
著者等紹介
伊豫谷登士翁[イヨタニトシオ]
1947年京都府生まれ。一橋大学名誉教授。専門はグローバリゼーション研究、移民研究
齋藤純一[サイトウジュンイチ]
1958年福島県生まれ。早稲田大学政治経済学術院教授。専門は政治理論
吉原直樹[ヨシハラナオキ]
1948年徳島県生まれ。大妻女子大学社会情報学部教授。東北大学名誉教授。専門は、都市社会学、地域社会学、アジア社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きいち
tolucky1962
ぺぷち
Hisashi Tokunaga
jupiter68