出版社内容情報
小説『姿三四郎』のモデルは実在の柔道家、会津出身の西郷四郎である。四郎は嘉納治五郎の弟子で、講道館四天王のうち最強といわれた。幕末に生まれた彼は、いかにして天才柔道家になったのか。
内容説明
小兵で強い柔道家を「○○の姿三四郎」と呼び称えることがある。実は、小説や映画で人気を博した「姿三四郎」のモデルこそ、西郷四郎その人なのである。幕末の会津に生まれた四郎は、小柄だったことから、陸軍士官学校への進学を断念する。そして、嘉納治五郎のもとで柔道に邁進。必殺技「山嵐」をひっさげ、幾多の大会で強敵を倒し、最強の柔道家として名を馳せるが…。彼はいかにして最強となったのか、その波乱に満ちた生涯を追う。
目次
養父、西郷頼母の悲劇
西郷四郎とは
四郎の一家、津川に落ち延びる
青雲の志
続く会津人の困難
四郎、上京する
講道館四天王、最強の柔道家
武田惣角という存在
四郎と三人の勇士
会津人と長崎
日清・日露戦争の勃発
鈴木天眼という人物
東洋日の出新聞での活躍
四郎の特派員豊国
晩年の四郎
著者等紹介
星亮一[ホシリョウイチ]
1935年仙台市生まれ。東北大学国史学科卒業。日本大学大学院総合社会情報研究科修了。作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
31
これから読もうという諸兄諸姉には、姿三四郎のモデルとなった稀代の柔道家、西郷四郎の胸踊るエピソード集ではないので悪しからず。むしろ幕末から明治末期の西郷の生きた同時代の日本社会と東アジア情勢を垣間見る程度の内容。会津藩最後の家老、西郷頼母の養子となり、幼少より軍人を志すが体格と学識に断念し、安納治五郎の講道館に入門、柔道師範を経て、アジア主義に目覚め、辛亥革命前の清に渡り新聞記者兼諜報員としても活躍した。宮崎滔天、頭山満、内田良平、北一輝との接触もあるとされ、ひと工夫あれば面白い小説や漫画ができそうだ。2023/09/13
ようはん
16
姿三四郎のモデルとなった柔道の達人西郷四郎であるが、新聞記者として中国大陸に渡ったのは知らなかった。2025/05/30
unamaster
4
西郷四郎についてというよりも西郷四郎を取り巻いていた社会情勢が主に記述されていて、それも著者の主観が入り込んでいるものが多い。途中参考文献としてあげられているものも中途半端な記述で後追い検索をするのが大変。たくさんの文献を読み込んではいるのだろうが、主題が西郷四郎ではないのでこれを読んで肩透かしを食ったと思う人は多いだろう。学術的には卒論レベル。この時代のファンなら読み物としてはまあ許せるのかな。2013/08/06
よしだ まさし
0
星亮一『伝説の天才柔道家 西郷四郎の生涯』平凡社新書を読了。 久しぶりの大ガッカリ本だった。 この本を読む人は、姿三四郎のモデルとなった西郷四郎という柔道家がどういう人物であったのか、どれくらい強かったのか、どのようなエピソードがあるのか、そういうことを知りたくて読むのであろう。だが、この本では、そういったことはほとんど知ることができない。なぜなら、この本で西郷四郎に触れている部分というのは、4分の1もしくは5分の1ぐらいしかないのだから。 では、その他の大部分のページが何に割かれているのかというと、西郷2013/06/26
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