内容説明
ホームズものには誤訳が多い?エリオット、マクルーハンらのホームズ評から、漱石、嘉納治五郎、チャールズ皇太子へと、思わず引きこまれる、異色のホームズ研究本。「まず読むべきはホームズなのである」名探偵は、細部に宿る。シャーロキアンも必読の入門書。
目次
序章 名探偵登場
第1章 ホームズは実在の人物だった?(シャーロック・ホームズ小伝―S.C.ロバーツ;シャーロック・ホームズ文献の研究―ロナルド・A.ノックス ほか)
第2章 意外な愛読者たち(T.S.エリオットのホームズ論;マクルーハン、ホームズを語る ほか)
第3章 ホームズ、漱石、嘉納治五郎(シャーロック・ホームズと柔術;バリツの起源 ほか)
第4章 皇太子、チャーチル、ホームズ(プロの美人たち;モリアーティ元教授の職業)
著者等紹介
植村昌夫[ウエムラマサオ]
1945年生まれ。東京大学法学部卒業。翻訳家。シャーロック・ホームズ研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
11
ホームズの実在性を毫も疑わない人向けの、初心者とある程度のマニアと両方をターゲットにした楽しい解説本。当時英国に滞在したことのあるふたりの日本人、夏目金之助と嘉納治五郎がホームズとどう関わったのか(正確に言うとどう関わった可能性があるか)とか、今までの訳語の英語の解釈のミスによる誤訳とかいろいろなネタが詰まっています。 そんなこんな、目からウロコの楽しい本でした。2011/10/16
Akito Yoshiue
9
類書の中でもトップクラスに面白い。2020/09/05
放蕩長男
9
推理小説の王様シャーロック・ホームズについての考察、トリビア集です。コナン・ドイル本人が書いたホームズ作品は、長短編合わせて60作品ありますが、それらを全て読み終えた人向きです。普通にネタバレが散りばめられています。題名に「愉しみ方」とありますが、これから原作小説を読んで愉しむ人向けではないので、充分にご注意を。2016/07/04
skellig@topsy-turvy
7
第一章はシャ―ロキアンらによる小論文の本邦初訳で、個人的にはそれと翻訳問題など扱った第四章が面白かった。誤訳へのツッコミはもう少し控えめでも良いんじゃ?と思うけど、確かに翻訳とは単なる紙上の文字のみでは扱えない問題だと再確認。2013/01/19
ひこまる
7
ライトなファンは序章とホームズと日本との関わりについて考察した第三章、誤訳を通して当時の英国の風俗に踏み込んだ第四章を読めば十分かと思う。正直、専門的な論文や珍説を羅列した第一章、第二章で脱落してしまうところだった。とはいえ、山田風太郎の「黄色い下宿人」から数ページ引用してくれたのは大変嬉しい。2012/09/27
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