内容説明
日本語の表記には漢字も仮名文字もあるように、純粋な単一言語がないことは、歴史を見れば明らかだ。だが明治期以降、西欧文化的な価値観にとらわれ、言語ナショナリズムの考え方に陥ってしまったのだ。はたして、文化と文化圏の歴史的な違いを無視して、日本語を語ることができるのだろうか。言語学や国語学だけではない、文化史からの日本語論。
目次
序章 文化史の視角―日本語とは何か(日本語といえば日本の国語?;漢文は国語か? ほか)
第1章 日本語―そのはじまりを考える(言語とは何か?;ヤマト言葉は誰のものか? ほか)
第2章 王朝文化―バイ・リテラシーの定着(漢字の読みが複数になった理由は?;いろは歌と五〇音図の関係は? ほか)
第3章 武家政治―言葉の秩序と叛乱(うたい文句は道理と無私?;マコトの誕生? ほか)
第4章 帝国秩序―言葉の叛乱と変容(どのような言葉の制度がつくられたのか?;訳語には危険が潜む? ほか)
著者等紹介
鈴木貞美[スズキサダミ]
1947年山口県生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。現在、人間文化研究機構/国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学文化科学研究科教授。学術博士。日本近現代の文芸・文化史の再編を中心に学際的な共同研究の方法を開発しながら、国際的に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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