内容説明
日本人は英語ができない、といわれるが、英米英語を目指すことに無理があるのではないか?世界には、それぞれの国の「なまり英語」がある。コミュニケーションのためであれば、カタカナ発音でも、ちょっと端折った文法でも、日本人にあった英語が話せればいいのだ!さらば、ネイティブ英語!「ニホン英語」で行こう。
目次
第1章 ネイティブの英語とは?
第2章 なぜアメリカ英語をありがたがるのか?
第3章 東西の言語観
第4章 間違いながら学ぶ―エラーとは何か
第5章 こんなにも通じる「ニホン英語」
第6章 「世界諸英語」の誕生
第7章 目からうろこの英語楽習
第8章 学校英語の規制緩和―ニホン英語のルール
終章 個性が生きる「ニホン英語」
著者等紹介
末延岑生[スエノブミネオ]
1941年兵庫県生まれ。関西学院大学大学院教育専攻科修了。神戸女学院高中等学部、関西学院高等部の英語教員、兵庫県立大学(元・神戸商科大学)教授を経て、同大学名誉教授。日本「アジア英語」学会理事を歴任。専門は英語教育学、NPO論。英語・教育について各地で講演を行うほか、地元神戸で社会活動を行い、「寅さんを迎える会」の会長として映画『男はつらいよ』の神戸ロケを実現させた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hundredpink
19
半分賛成、半分反対2015/03/21
ヨミナガラ
15
“この論文を発表した後、あのD・ジョーンズを祖とする世界の音声学のメッカ、ロンドン大学のJ・ジェンキンズ女史と会う機会があった。そこでジェンキンズ氏は、論文を通じて、日本人の知恵としてのカタカナのニホン英語、中でも「母音添加」の大切さを知ったこと、そして英語を広めることばかりでなく、世界の人びとが互いにどれほど通じ合えるかを考える時代になったと話してくれた。母音を省略するようにとD・ジョーンズの指摘してきた英語も「逆輸入」の時代に入った観がある。”2014/08/27
makimakimasa
4
半分賛成、半分反対。インド人やインドネシア人の様に、日本人もミスを恐れて萎縮せず、堂々と英語を話せばよいというのは正論。RとLの発音の区別も、日本語ネイティヴにはほぼ無理だからあきらめよう。但し、やはり目指すべきところはアメリカやイギリスといった正統英語でいいのではないか?最初から時制や語順も滅茶苦茶でいいというのは暴論に聞こえる。語学は単純な意思疎通の手段に留まらず、よりスマートな人間関係や美しい芸術的表現へと応用される。ニホン英語と自覚しつつも、あくまでそのレベルを目標に学習して悪いことはないと思う。2015/08/03
ひろつそ
4
考えてみれば、我々は普通にカタコト日本語の外人とコミュニケーションとれてるのは事実。であるなら、我々がカタコト英語で堂々と喋れば良いだけだものねえ。2011/01/08
遊歩者
3
「正しい英語」幻想が如何にコミュニケーションを阻害してきたかがよくわかる一冊。また「正しい」「正確」「厳密」であることに汲々とすることこそ尊いという偏った日本文化論としても興味深い。本書を読んで、多少間違っても、通じる喜びを知る方が、語学の入り口として、それこそ「正しい」んじゃないかなとつくづく思いました。2013/08/14