内容説明
地球温暖化は、「不確実」な問題である。しかし、だとすれば何の解決策も必要ないのだろうか?市場メカニズムを利用して問題解決を図る排出権取引制度や環境税は、本当に有効なのか?―「経済学」ではこう考える!温暖化問題の現状と解決の手法をきちんと理解するための経済学。
目次
第1章 温暖化問題の短い歴史と現状
第2章 温暖化問題の「不確実性」を考える―経済学の視点から
第3章 米国とEUの温暖化問題への取り組み
第4章 日本の温暖化問題への取り組み
第5章 温室効果ガス削減の経済学
第6章 経済的手法は温暖化問題に有効か
著者等紹介
山本隆三[ヤマモトリュウゾウ]
1951年香川県生まれ。京都大学卒業後、住友商事株式会社に入社。石炭部副部長、地域環境部部長などを経て、プール学院大学国際文化学部教授。また、(財)地球環境産業技術研究機構(RITE)SDシナリオワーキンググループメンバーを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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D.Okada
7
昨今の環境問題の基本を押さえた上で、経済学的視点から温暖化対策を論じていて読み易かった。不確実性を孕む環境問題にあって、その不確実性故の批判はごもっともだが、「温暖化問題の保険料」という考え方は大変興味深かった。なお、経済的手法として、「規制、あるいは排出権取引制度との比較では、公平性が確保でき、また国民生活への影響を事前に予測できる点から」環境税が優れていると筆者は述べている。2010/11/27
Teppei Tsujiyama
0
データの中立性が好き2013/08/23
Naota_t
0
“温暖化”とざっくり言っても、原因は多岐に亘り、 そこへ経済学で言う「不確実性」をもって解を導く。 それらの理論に基づいて環境規制や排出権取引などの取り決めが施行されるわけだが、これも真の意味では明確に目標の設定ができない。 地球温暖化が“悪い”事象なのは誰もが知悉しているけれど、それが即効性を持って被害が翻るわけでもないし、説明責任もはっきりしないので、そこから外部不経済も拡大していく堂々巡り。ほんと難しい問題だ。 2012/12/09
mozuchali
0
昔、レポートを書く際に参考にした本。2012/05/06
もふもふ
0
排出権取引や京都メカニズムなんかの概要やらメリット、デメリットを解説して、最後は経済の初歩的な需要供給曲線に外部経済、税金を加えたグラフで環境経済の問題を解説。結局日本は損するだけだな。2010/05/05