平凡社新書
日本の山と高山植物

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582854855
  • NDC分類 454.5
  • Cコード C0244

内容説明

雪と岩、のびやかな稜線、豊かな高山植物…。美しさ溢れる日本の高山の自然を読み解き、充実した山歩きを楽しむ。

目次

第1章 世界の中の日本の山
第2章 高山植物の分布と生活
第3章 日本の高山植物の起源
第4章 ヨーロッパアルプスにはなぜハイマツ帯がないのか
第5章 高山の地質・地形と植物群落
第6章 岩塊斜面はいつできたのか
第7章 地質の成り立ちとプレートテクトニクス
第8章 山の成り立ちと山地の地形
第9章 氷河時代とその影響
第10章 火山と火山活動がつくり出す植物群落
第11章 特異な植生分布

著者等紹介

小泉武栄[コイズミタケエイ]
1948年長野県飯山市生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得。理学博士。現在、東京学芸大学教授。専門は自然地理学、地生態学、第四紀学。高山や極地の植生分布と地形・地質、自然史との関わりや、氷河時代からの環境変遷を主に研究してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

46
地質学と植物学を結び付けた「山の科学」の集大成だ。プレートテクトニクスによる46億年地球史の"大理論"の壮大さとは別の意味でわくわくする。かの大理論も所詮マクロな理論なので細部で矛盾するが、小泉さんは個別の山を対象にミクロ的な分析により山の地質と植生の関係を明らかにしていく。題材が美しい山と花なので、この目で確かめたくなる。ただ、つい地図で登山道を確かめてしまうのはいいとして、余りにも軽々と踏破していくので明日にでも行ってみようとすると、相当に困難な行程であることが判明する。登山家としてもただ者ではない。2016/08/02

Michio Arai

6
再読。 以前、山の会で脱サラツアーガイドさんの講演があり、その時に紹介された本。 同じ山に登るなら景色や花の豊富な山を選ぶ派なので、高山植物には興味がある。 世界的に見ると日本の山は標高が低いのに高山植物が豊富で山も多様。その要因は多雪、それと地質の多様性にある。何故土壌が多様なのか、その考察、研究がプレーテクトニクス論を軸に展開される。この本によると、何と山口県の秋吉台の元は3.6億年前古生代石炭紀の超海洋パンサラッサの海底が隆起してできた海山にできたサンゴ礁とのこと、という風で本当に興味は尽きない。 2018/11/11

れうしあ

3
日本の山は景観に多様性がある。これには対馬海流と季節風、そしてジェット気流が関係している。これらの要因が低緯度低山である日本の山に多雪強風の過酷な環境を生み出し、それゆえにお花畑が発達した。もう一つの要因は地質である。地質によって地形が異なり植生が異なる。日本の地質の複雑さはプレートテクトニクスにより説明される。日本列島の原型は付加体が積み重なって作られた。そしてこの島の山の多さは、プレート運動とそれに伴う火山活動によるものである。地形や地質と植物分布との関係が明らかになったのは、実は最近のことらしい。2021/05/29

常嶺

2
地質や地形と植生の関係についての本はまともに読んだのは初めてで、勉強になった。付加体が作る多様性はすごい。南アルプスのお花畑へ行きたくなった。2020/04/19

イツシノコヲリ

1
高山植物の地生態学的な概説書である。新書として読みやすく、内容も濃かったので良かった。日本アルプスにハイマツ帯があるのに、ヨーロッパにはない理由、花崗岩などの岩石ごとの植生の変化などを南、中央、北アルプスで比較し、その違いが生まれた山脈のでき方についても考察していたので面白かった。2023/12/29

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