平凡社新書
「月光仮面」を創った男たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 223p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582854350
  • NDC分類 778.8
  • Cコード C0274

内容説明

昭和三三年―。映画に取って代わって娯楽の王座についたテレビは、この年、史上空前のスーパーヒーローを世に送る。しかし、誰もがみんな知っているその「伝説」の背後に、実は、誰もがみんな知らずにいる「昭和の奇跡」があった。戦後映像メディア史上最大の空白を埋めて、月光仮面とその時代を語るに必読の書。

目次

第1章 昭和三三年の「映像革命」
第2章 「月光仮面」前夜のテレビ界事情
第3章 「月光仮面」を発想した男
第4章 「月光仮面」を演じた男―大瀬康一インタビュー(1)
第5章 「月光仮面」を演出した男
第6章 爆発的ヒットとアジアン・ヒーローへの発展
第7章 時代劇「隠密剣士」への転回
第8章 「隠密剣士」を演じた男―大瀬康一インタビュー(2)
第9章 「月光仮面」を遠く離れて

著者等紹介

樋口尚文[ヒグチナオフミ]
1962年生まれ。映画批評家。早稲田大学政治経済学部卒業。大手広告代理店のクリエーティブ・ディレクターとして多数のテレビCMを企画・制作するかたわら、『キネマ旬報』『バラエティ・ジャパン』などで映画とテレビを横断した批評活動を展開。『キネマ旬報』で連載のテレビドラマ時評は足掛け15年を重ねる。キネマ旬報ベスト・テン、毎日映画コンクール、日本映画プロフェッショナル大賞、日本民間放送連盟賞などの審査委員も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

34
昭和33年。12億人を動員し絶頂期の映画界は、TVを蔑み門戸を閉ざしていた。国産初のヒーローTVドラマ「月光仮面」は、素人と落ちこぼれ映画人に委ねられた。低予算で自主制作並みの環境。手巻きで28秒しか回らないカメラ。しかし手作りの現場が不思議な魅力を生み出していく。後半は月光仮面のメンバーが関わった作品群の話題。この中では「仮面の忍者赤影」が私は大好きだった。特に天津敏演じる甲賀幻妖斎。迫力ある名悪役で、ドスの効いた声にシビれた。実はとても温厚な人だったそうだ。若干クドめな著者の口調もこの内容に合っている2019/08/27

へくとぱすかる

28
半世紀を超える過去のドラマ。しかし主役の大瀬さんがお元気で何より。それもそのはず、当時わずか20歳。信じられない低予算なのに、日本初の連続テレビ映画として大人気を誇った「月光仮面」。若いスタッフの情熱と製作裏話は、草創期だけの興味津々な手作り感覚にあふれている。若くして亡くなられた船床監督は、その足跡を考えると、もっと大きく評価されていい映画人だと思った。2016/03/08

たくのみ

13
一本15万円の予算、チープな衣装とありあわせの道具、工夫と情熱だけで作られた作品が、アメリカの1本数百万の作品に負けない、支持を集めたのはなぜか。子供たちのヒーローごっこの延長としてのリアリティにあった、という分析が面白い。早撮りの職人、船床定夫監督やスタッフに流れる黒澤映画の血脈。わかりやすさを追求した伊上勝の脚本。のちに「柔道一直線」、「隠密剣士」につながっていく。宣弘社の後継番組「赤影」「アイアンキング」「シルバー仮面」の製作裏話はどれも心温まるものばかり。ううっ懐かしい。2016/04/16

フロム

10
この本で重要なのは、テレビ黎明期はその将来性が中々認められず、扱いは鬼子扱いだった所にある。 全ての面で冷遇を受けていたテレビが無名の若手を中心に情熱とアイデアと勢いだけで物語を作り上げ時代を巻き込む様はユーチューバーにも繋がる所があるかもしれない。ミレニアムになりアメドラが数百億単位で資本が投下されるのを見るにつけ、将来的にはユーチューバー業界もとんでも無い事になるのかも?とそんな予感を抱かせる内容。印象に残ってるいるのは時代に偶々乗れただの多くの関係者が時代性を重視している所。2019/10/04

ヒデキ

6
殆ど名前しか知らなかった「月光仮面」がいかに作られていったのかを泥臭く描いてあります。どがつくような新人の手によってつくられ時代によって大ヒットした作品を愛おしくかんじてしまいました2019/12/01

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