平凡社新書
かなづかい入門―歴史的仮名遣vs現代仮名遣

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582854268
  • NDC分類 811.56
  • Cコード C0281

内容説明

旧かな愛好者たちが言うように、いまや定着した「現代仮名遣」は日本語の伝統を破壊する蛮行なのか?けれども、定家にはじまり、契沖が大きくすすめた「仮名遣」の歴史をふりかえってみれば、貫之だって空海だって、紫式部の兼好も西鶴も、「歴史的仮名遣」で書いているわけではない。「仮名遣」は表記の規則―あたりまえの立場から「かなづかひ」をめぐる誤解と幻想のもやをはらう。

目次

第1章 仮名遣以前―日本語の音とその表記の歴史
第2章 生みの親は定家―仮名遣の誕生
第3章 学問的根拠は絶対か―定家仮名遣の論理
第4章 いにしえびととの交感―契沖仮名遣の世界
第5章 悪魔の規範―歴史的仮名遣の非実用性
第6章 残された課題―現代仮名遣解説
第7章 伝統を捏造するな―文化人たちのノスタルジー
第8章 新仮名遣で古典を書く―表記の規則だから

著者等紹介

白石良夫[シライシヨシオ]
1948年愛媛県西条市生まれ。九州大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。大学教員を数年勤めたのち、83年に文部省(現文部科学省)入省。以来、国語教科書の検定に従事しながら、研究活動をつづける。現在、主任教科書調査官。博士(文学)。専攻は国語国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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makio37

3
歴史的仮名遣を「悪魔の規範」とまで言い切っている。歴史的仮名遣ファンの自分としては心中穏やかではない。しかし、まず定家仮名遣→契沖仮名遣→歴史的仮名遣という流れの中で相対化できたのは収穫だった。確かに、古代人との交感の道具を近代の実生活の場に復活させた代物という側面はありそうだ。言葉は常に変化し続けているのだから「日常つかっている言葉こそが正しい日本語」という考えも理解できる。いずれにしても<仮名遣とは表記の規則であって発音の規則ではない>ことには注意しなければ。2015/11/08

サアベドラ

2
歴史的仮名遣いと現代仮名遣いの生まれた経緯についていろいろ書いてある。もともと擬古文や和歌を書くために作り出されたはずの歴史的仮名遣いを書き言葉すべてに適用しようとした明治政府と当時の国語学者は恐ろしいなあと。ルネサンス期の新ラテンを一般大衆に押し付けるようなもんなんだから、そりゃあ無理が出るよね。日々英語の綴りに悩まされてる私としては歴史的仮名遣いなんて面倒なものを使おうとは思わないけど、そうじゃない人も結構いるのかな。2012/08/19

はわわ二等兵

1
ネタはそれなり。しかし、語り口が、特に後半、喧嘩腰で。あげく、平成教育委員会の勉強君の発音にまで食って掛ったり。ドン引きでした。戦後レジュームとか敗戦利得者の無自覚な走狗ですよね、こんな人たちはー、と。2013/09/14

たじー

0
かなづかいの歴史について詳しく知ることができた。2017/10/02

slb

0
著者は「歴史派現代派どちらに肩入れすることなく公平な立場でいたい」と斷りながら、論調も感情も明らかに現代派の立場をとつてゐる。 歴史的假名遣派・現代假名遣派の對立は畢竟、思想・信條的な對立に行き着くと感じる。 歴史的假名遣は「傳統的」に遣はれたものではないし、元々古典や和歌を書く爲の基準であることは事實であるが、その上で現代の合理性・利便性を取るのか、時代を越えた情報傳達・連續性を取るのか、どちらを是とするかの對立であらう。2015/04/27

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