内容説明
旧かな愛好者たちが言うように、いまや定着した「現代仮名遣」は日本語の伝統を破壊する蛮行なのか?けれども、定家にはじまり、契沖が大きくすすめた「仮名遣」の歴史をふりかえってみれば、貫之だって空海だって、紫式部の兼好も西鶴も、「歴史的仮名遣」で書いているわけではない。「仮名遣」は表記の規則―あたりまえの立場から「かなづかひ」をめぐる誤解と幻想のもやをはらう。
目次
第1章 仮名遣以前―日本語の音とその表記の歴史
第2章 生みの親は定家―仮名遣の誕生
第3章 学問的根拠は絶対か―定家仮名遣の論理
第4章 いにしえびととの交感―契沖仮名遣の世界
第5章 悪魔の規範―歴史的仮名遣の非実用性
第6章 残された課題―現代仮名遣解説
第7章 伝統を捏造するな―文化人たちのノスタルジー
第8章 新仮名遣で古典を書く―表記の規則だから
著者等紹介
白石良夫[シライシヨシオ]
1948年愛媛県西条市生まれ。九州大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。大学教員を数年勤めたのち、83年に文部省(現文部科学省)入省。以来、国語教科書の検定に従事しながら、研究活動をつづける。現在、主任教科書調査官。博士(文学)。専攻は国語国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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