内容説明
善の研究、共産党宣言、日本資本主義分析、きけわだつみのこえ、職業としての学問、現代政治の思想と行動、実存主義とは何か、されどわれらが日々、ノルウェイの森…昔も今も、学生と読書の結びつきは深いものだが、東京大学に学ぶ学生たちは一体どんな読書生活を営んできたのだろうか。明治の建学から現在まで、豊富な資料に基づいて東大生の読書生活一三〇年をたどる。
目次
第1章 明治の学生たちと読書
第2章 社会主義と震災復興の時代
第3章 「学生は学生の店へ!」―帝大正門前の学消赤門支部という読書装置
第4章 戦時体制下の読書生活
第5章 焼け跡の学生読書文化の再建
第6章 岩波文化と東大生―昭和三〇年代
第7章 読書の“共同性”の喪失―学生運動と七〇年代の読書変容
第8章 教養から情報・マンガへ―一九七〇‐二〇〇〇年の東大生の読書生活
著者等紹介
永嶺重敏[ナガミネシゲトシ]
1955年鹿児島県生まれ。九州大学文学部卒業。東京大学駒場図書館等を経て、現在、東京大学情報学環図書室勤務。著書に『雑誌と読者の近代』(日本出版学会賞)、『モダン都市の読書空間』(日本図書館情報学会賞、いずれも日本エディタースクール出版部)。近著『怪盗ジゴマと活動写真の時代』(新潮新書)で、日本児童文学学会奨励賞、第1回内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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魚京童!
10
なんか違った。2014/04/04
KAZOO
5
こんな本が売れるのかなあと思いながら、読んでみました。東大生がどのような本を読んできたかを見ることによって日本のかなりの教養人(?)の読書レベルの推移がわかるような感じがします。雑誌では文藝春秋と世界、結構新書なども売れていたようです。世の中のベストセラーとあまり変わらないものが売れているようです。昭和の35年では「頭のよくなる本」や「英語の強くなる本」なども上位に入っています。最近ではコミックも結構売れているようです。2013/10/04
おらひらお
3
2007年初版。約130年間にわたる東大生の読書の歴史を駆け足で概観したものです。1970年代以降、蔵書量が減ってくる傾向があり、教養の解体と情報への移行の傾向があるそうです。たしかに家に100冊の本も持たない学生も問題ですが、住む部屋の広さというか、本に割くことができるスペースも検討してほしいところです。これからは、蔵書も電子化なんでしょうね・・・。ちなみに仕事関係で読んだ論文はどんどんPDF化→クラウドにしていますよ。現在500本程度ですが、結構便利ですね。2012/12/12
のの
3
東大の法学+文学部メインの左翼系読書。 シケプリとか生協とかいろいろニヤニヤした。2012/09/05
たかしくん。
2
数年前に流行った「東大教師がすすめる本」は、もしかしたら彼らが学生のときに読んだ本かも、って気になりました。戦時中の万葉集ブームは、成る程と思いました。2013/07/28