内容説明
戦後の日本は「悔恨共同体」から始まった。終戦直後、清水幾太郎らが作った二十世紀研究所には林健太郎、丸山眞男、福田恆存など、その後立場を異にする人たちが集まっていた。以後、彼らが活躍する舞台となる論壇誌は、いかなる問題を、どのように論じてきたのか。論壇が存在感を持っていた時代を鮮やかに描き、「戦後」に新たな光をあてる。
目次
序章 一九八八年八月一二日、四谷霊廟
第1章 「悔恨共同体」からの出発―二十世紀研究所のこと
第2章 「総合雑誌」の時代―『世界』創刊のころ
第3章 天皇・天皇制―津田左右吉と丸山眞男
第4章 平和問題談話会―主張する『世界』
第5章 『世界』の時代―講和から「六〇年安保」へ
第6章 政治の季節―「六〇年安保」と論壇
第7章 高度成長―台頭する現実主義
第8章 『朝日ジャーナル』の時代―ベトナム戦争・大学騒乱
終章 「ポスト・戦後」の時代―論壇のゆくえ
補章 戦後「保守系・右派系雑誌」の系譜と現在
著者等紹介
奥武則[オクタケノリ]
1947年東京生まれ。法政大学社会学部・大学院社会学研究科教授。専攻は近現代日本のジャーナリズム史。70年早稲田大学政治経済学部卒業後、毎日新聞社入社。学芸部長、論説副委員長などを経て退職。2003年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おらひらお
4
2007年初版。戦後の論壇を概観できる一冊です。1970年代以降は前段階までのような概観ができない時代になったようです。本書が対象としている時代は僕が生まれていない時代ですが、戦後すぐが『民衆を率いる自由の女神』の絵のような論壇であったことを知ることができました。2012/03/22
Yasuhiko Ito
3
本書で紹介されたいた高校生・大学生の愛読雑誌の調査結果(1952年)をグラフにして見たのでご覧あれ。 https://twitter.com/yasuhiko_ito/status/10260324689466490882018/08/05
ぽん教授(非実在系)
1
戦後の主に進歩派中心の論壇の歴史について。とはいっても、学生運動が収束し世の中の価値観が多様化する70年代以降はあまり扱っていない。補論の右派雑誌の歴史は2000年代までコンパクトに扱ってるが、表面的なところを追うので精いっぱい感がある(それでも表面的なものだけでもまとめてくれるだけでありがたいが)。2015/07/06
チャーリイ
0
『世界』が主張する雑誌へと変化していった様や、ハンガリー戦争を受けた進歩派が矛盾を克服できなかった様は、なんとも当時のエネルギーと、日本の思想界における固着的な雰囲気を表しているなあと。2015/09/14
カルマンGT
0
戦後からの論壇の流れをわかりやすく読み取ることができた。当時の価値観、現在における価値観も時代背景とともに変遷してゆき、それが自然ななりゆきとなっているように感じた。以前は「総合雑誌」等で展開されていた種々な考えの発信が、現代では一般人を含めネット上のプラットフォームにて行われている気がした。そして一度は下火になりかけたこれらの活動が現在また必要となっている時期に来ていることも感じた。2012/03/18
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