内容説明
日本人論として、また「身分に伴う義務」を説いた本として、『武士道』は多くの人に読まれ、論じられている。しかし、それらは新渡戸の真意を受け止めているのだろうか。彼は、賊軍とされた南部藩士の子として生れ、青年時代からキリスト教の信仰を貫き、そして、国際的な視点からこの本を著したのだ。戊辰戦争と第二次世界大戦の間に生きた新渡戸の思想の根源から、『武士道』を読み解く。
目次
序章 新渡戸稲造が架けた橋
第1章 新渡戸稲造の生涯
第2章 「敗者」の精神史
第3章 『武士道』と南部武士
第4章 いかにして『武士道』は生れたのか
第5章 『武士道』を読む
第6章 『武士道』への批評とその余波
第7章 「サムライ」の系譜
著者等紹介
太田愛人[オオタアイト]
1928年岩手県盛岡市生まれ。東京神学大学大学院修了。日本基督教団の大町(長野県)、柏原(同)、上星川(神奈川県)の各教会で牧師を歴任。現在は社会福祉法人愛の家ファミリーホーム理事長。『羊飼の食卓』(現・中公文庫)で第28回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Chicken Book
8
細すぎる新渡戸稲造の解説2022/01/14
マーブル
7
新渡戸が南部武士の子であったこと。キリスト教徒であったこと。『武士道』を紹介するにあたり多くの場合欠けているこの二つのことを中心に語られる新渡戸像。本書に対して当初『武士道』の精読を求め、読み始めは書かれてある新渡戸の生い立ちや、周辺の人物たちの描写に残念な思いも抱いたが、読み終えてみるとそれらは『武士道』理解に必要なものだった。 書いてあることの精読吟味は自分ですればよい。しかし、知識はどこからか手にしれねばならぬ。『武士道』の書かれた背景。新渡戸の生い立ち。郷土でのかかわりのあった人々。2025/06/14
SK
4
77*『武士道』の副読本として。あまり読みやすくはなかったかな…。2020/03/19