平凡社新書
核大国化する日本―平和利用と核武装論

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 229p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582853360
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0231

出版社内容情報

日本の核武装論が台頭しはじめる一方、青森県六ヶ所村の核再処理工場が稼動する。すでに原爆5000発分ものプルトニウムを保有している<核大国>日本はどこへ行くのか。

内容説明

「核の平和利用」を進めるうちに、今や日本は「非核兵器国」で最大の核施設・核物質保有国となり、IAEAによる核査察では最重要国のひとつとなっている。さらに二〇〇六年三月、六ヶ所村の核燃料再処理工場がプルトニウムを取り出す試運転に入った。その一方、北朝鮮に触発されて、核武装論も台頭し始めている。原発、核燃料サイクル、核兵器―次世代への責任として、核の利用の再考を促す。

目次

第1章 日本は「非核兵器国」を選択した(核武装論の台頭;国際法による制約 ほか)
第2章 「核燃料サイクル」のキーワード(元素の誕生;原子 ほか)
第3章 「核拡散」のキーワード(核爆弾;核実験 ほか)
第4章 核兵器保有国の増殖(国際法上の「核兵器国」;核物質と核技術の拡散 ほか)
第5章 プルトニウム大国・日本(日本の「核燃料サイクル」開発;六ヶ所核燃料サイクル施設 ほか)

著者等紹介

鈴木真奈美[スズキマナミ]
1958年福島県生まれ。フリーランス・ジャーナリスト、英語・中国語の翻訳者。原水爆禁止日本国民会議事務局国際部を経て、国際環境保護団体・グリーンピースの核問題リサーチャーなどを担当してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽんくまそ

7
2006年出版。核兵器や原子力発電、特に核燃料サイクルについては専門用語がどうしても多くなる。核の歴史と全体像を捉えてゼロから私たち素人向けに開陳しており、そのため、その用語を太字にして定義を解説することが内容の大半となっている。つまりこの本は教科書として最適であり、読んでその面で助けられた感がある。著者は福島原発の近くの港町の生まれだという。2011年に彼女はどう思ったであろうか。2020/12/02

ぽんくまそ

5
再読。2006年刊。当時、北朝鮮の核武装に合わせて日本も、という声が聞かれれたらしい。原子から国際協定にまで至る専門用語あれこれについての入門書ともなっているので、そこを主におさらいするために読み直した。分析は厳しいが、フクシマの前ということもあってか、権力の捉え方については性善説的な甘さがまだあるようだ。フクシマ後の今では安倍政権を経て原発推進勢力が政財界で完全に居直っているさまだ。次は友清裕昭「プルトニウム」(講談社ブルーバックス)を読むつもり。2021/07/31

coolflat

4
NPT体制とIAEAの保障措置と原子力協定の関係性とその構造が特に分かりやすく書かれている。これらの国際法と核物質利用権があるからこそ、日本は核武装できないのである。ところで著者は日本の原子力政策において、70年代が重要だと言う。この頃、日本の原発は使用済み核燃料の持って行き場に困り、原子炉の運転を中止する間際まで追い込まれたが、この危機を英仏と「再処理契約」を結ぶことで切り抜けたと。この契約が成立していなかったら、原発もほとんど増設できず、プルトニウムや放射性廃棄物の発生量も少量に抑えられたとのことだ。2014/08/03

ゆきまさくん

2
日本は核物質、なかでもプルトニウムの保有量では世界の5本の指に入る大国である。こうした事実を軸に、核燃料サイクルや核拡散をキーワードとした用語の説明と日米関係と日本の核武装を疑われる理由や経緯について、わかりやすく書かれている。保障措置やNPT体制について詳しい。十年以上前の本なので、状況が変わっている点があること、私見への導き方にやや強引さはあるものの、一読して良かった一冊。2019/03/05

tu-ta

0
『核大国化する日本』メモ (6月2日少し補足) http://tu-ta.at.webry.info/201205/article_5.html2012/05/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1107759
  • ご注意事項

最近チェックした商品