平凡社新書
UFOとポストモダン

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  • サイズ 新書判/ページ数 203p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582853094
  • NDC分類 440.4
  • Cコード C0210

出版社内容情報

UFO(空飛ぶ円盤)や宇宙人(エイリアン)は、何を意味しているのか。1940年代から現在まで続くこれらの<伝説>を分析し、現代社会の深層に流れる意識を明らかにする。

内容説明

UFO(空飛ぶ円盤)と宇宙人についてのおびただしい言説。そこから、アメリカ社会=現代社会の論理が浮かび上がる。たとえば、初期の宇宙人は優れた科学を持つ金髪の白人だったが、灰色の肌をした吊り上がった目の邪悪なものへと姿を変え、ポストモダンの時代には節足動物や昆虫になってしまった。これはいったい何を意味しているのだろうか?UFO神話、政府陰謀説を丁寧に読み解き、エイリアンと人類の未来を予測する。

目次

第1章 UFO神話の誕生と変遷(誤伝としての「円盤」の誕生;理想の時代、虚構の時代、動物の時代、そしてUFO神話のなぞ)
第2章 空飛ぶ円盤神話(1947‐73)―近代のプロジェクトの継続(近代のプロジェクト、継続か放棄か?;超越的な他者としての近代科学)
第3章 エイリアン神話(1973‐95)―近代のプロジェクトの放棄(大文字の他者から他者の他者へ;後期UFO神話の始まり ほか)
第4章 ポストUFO神話(1995‐)―ポストモダンのかなたへ(目に見える陰謀と内破するUFO神話;「彼ら」から「それら」へ)

著者等紹介

木原善彦[キハラヨシヒコ]
1967年鳥取県生まれ。京都大学文学部卒業。同大学大学院博士後期課程修了。文学博士。大阪大学大学院言語文化研究科助教授(英米語圏言語文化論)。専門は現代アメリカ文学・文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とうゆ

14
UFOという存在は、社会の変化に対応して、その姿を変容させているといった内容。オカルトになっていないUFOの話は珍しく読むのが楽しみだったのだが、いかんせん根拠に薄い話だった。2015/12/09

月世界旅行したい

13
なぜか真面目な科学書のコーナーにあった。当然、そんな本ではない。2015/05/19

佐倉

11
UFO言説がアメリカ人の社会的関心に如何に影響を与え、そして与えられてきたか。1947-73、1973-1995、1995-2005の三期に分けて論じていく。73年までは原子力への関心と近代のプロジェクト(科学技術への楽観)によってアダムスキーなどの現代の諸問題を乗り越えた存在としての宇宙人が、73年から95年になるとウォーターゲート事件やベトナム戦争の失敗などから政府への不審へと繋がり政府との密約などの陰謀が……と大きな物語が喪失していき、宇宙人とUFOのあり方が変わる過程に目を向けている。2023/07/24

スズツキ

9
SF民は問答無用で乗り込め! 胡散臭い題名に反して、新書界で評価の高い1冊。始めは金髪の白人型として出発した想像の異星人がタコ型、そして今のグレイ型に変化していったのは何故か。また当初は円盤を目撃したという証言が「連れ去られた」「月に連れて行かれた」とどんどん増進していったのは何故か。これらは全て時代性と関係している(端的に言うなら、産業時代にはUFOは電線からエネルギーを奪うといわれていたが、脱産業後の情報化時代にはインプラントによる情報収集という証言が出てきた)。実に面白い1冊だ。2015/02/05

owlsoul

8
空飛ぶ円盤のイメージは1947年のケネス・アーノルドによる目撃証言に端を発する。だが実際の証言は空飛ぶ円盤ではなく、受け皿(Saucer)を投げたような「飛び方」をしていた、という内容だった。このsaucer という言葉が流布し、以降各地で空飛ぶ円盤の目撃事件が頻発する。当初、宇宙人は白人の美男美女として現れ地球人を導く存在だったが、いわゆるポストモダンの時代において、彼らは人間を実験材料にするエイリアンへと変貌する。やがてこれらの都市伝説は、情報化によって現実社会とリンクした陰謀論へと移り変わっていく。2025/03/08

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