平凡社新書
不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」

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  • サイズ 新書判/ページ数 251,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582852738
  • NDC分類 930.26
  • Cコード C0298

内容説明

われわれはイギリス小説を読む。その映画化作品も見る。だが、本当にその面白みを理解できているだろうか?スノッブで、イジワルで、「階級」にとらわれたイギリス人、その作家たちが書く文章には、「階級」にまつわる揶揄と皮肉が練り込まれ、行間には棘がひそんでいる。そして、映画ではそれらがどう変容され、また強調されているのか?小説と映画から、イギリス社会とイギリス人の心理に深く重く沈潜する「階級意識」を読み解く。

目次

1 ラヴ・コメディ今昔(嫌われるヒロイン?―ジェイン・オースティン『エマ』;エリザベス・ベネットが九〇年代のロンドンにいたなら?―ヘレン・フィールディング『ブリジット・ジョーンズの日記』)
2 働く女たち(逆境の淑女、ガヴァネス―シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』;なぜナニーは不機嫌なのか―P・L・トラヴァーズ『メアリー・ポピンズ』 ほか)
3 階級と男たち(ジェントルマンと教育―チャールズ・ディケンズ『大いなる遺産』;愛を勝ちとる「格下の男」―E・M・フォースター『眺めのいい部屋』 ほか)
4 イギリス人が異世界を描けば(「ユートピア」は階級社会の行く末?―H・G・ウェルズ『タイム・マシン』;悪の権化はなぜ「フツーの人」になったのか?―アントニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』 ほか)
5 マイノリティたちのイギリス(日系作家の描いた「古きよきイギリス」―カズオ・イシグロ『日の名残り』;「新しいイギリス人」と越境する新世代―ハニーフ・クレイシ『郊外のブッダ』ほか)

著者等紹介

新井潤美[アライメグミ]
1961年生まれ。香港、日本、オランダおよびイギリスで教育を受け、東京大学大学院博士課程満期退学(比較文学比較文化専攻)。中央大学法学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Roko

35
イギリスが階級社会だとことは、知識としては知っていても、実際どんなものかと言うのはちっとも分かりません。それでこの本に興味を持ったのですが、それはそれはややこしいものなんですね。まず何が違うって、階級が違うと話すことばが違うのです。たとえば、ロンドンの労働者階級の人が話すコックニーということばは、いわゆるクイーンズイングリッシュとは似ても似つかぬものです。そう、マイ・フェア・レディのイライザのようにね。たとえ中流であっても、ロウアーミドルとアッパーミドルでは微妙に違うなんて、よそ者にはわからない世界です!2023/02/21

momogaga

34
読メ開始以前の既読本。イギリスの階級社会を多面的に学べた。「レベッカ」についての章は秀逸。

帽子を編みます

32
「小説と映画から、イギリス社会とイギリス人の心理に深く重く沈潜する「階級意識」を読み解く」すごく興味深い内容でした。話し言葉、発音、単語で階級がわかってしまうなんて!書き言葉と話し言葉の分離。取り上げられる小説とその映画化作品が、有名なものばかりなので目からウロコが落ちるようです。ガヴァネスとナニーの章、気になっていました。教育で階級を上昇していく者、両親との齟齬、教養のない親世代を疎く思う気持ち。結婚による階級の混乱。イギリス文学を読むときの前提となる知識でした。これからも何回も参考にしたい本です。2020/09/20

金吾

22
○イギリスの階級制度が本や映画でどのように画かれているのかがわかりやすく書かれていて面白かったです。「エマ」「メアリー・ポピンズ」「レベッカ」「ハリー・ポッター」の話が良かったですし、寄宿舎の話はとても興味深かったです。2022/07/27

マカロニ マカロン

17
個人の感想です:B+。2020年最後の読書は映画関連の本となった。今年は映画135本(うち劇場で見たのは8本だけ)と去年より激減してしまっただけに皮肉な感じ。私の会社での英会話の先生が正しくロウワー・ミドルクラスの人で、英国の階級についての話(というより愚痴)を色々と聞かされていただけに、よく分かる点もあって(階級ごとの発音の違いまで理解する英語力は私には無いが)面白く感じた。表題のメアリー・ポピンズは映画を見た時に持った違和感の元が、ポピンズはガヴァネスではなくナニーだという指摘を読んで氷解した2020/12/31

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