内容説明
政治家の不祥事が起こると必ず出る言葉、「秘書がやりました」。ダーティーなイメージが政治家の秘書にはつきまとう。しかし、その仕事の内実はあまり知られていない。ある時は陳情に困惑し、ある時は官僚に翻弄され、ある時はカメラマン兼通訳兼速記者として視察に同行…。「秘書」こそは永田町を舞台裏から支える「黒子」である。元外資系銀行のデリバティブ・ディーラーが司法試験合格後、政策秘書として駆け回った永田町の姿とは。
目次
第1章 秘書をめぐる喜劇と悲劇
第2章 私が秘書になった理由
第3章 秘書の仕事
第4章 公設秘書制度
第5章 政策秘書が見た国会
第6章 政策秘書が見た官僚
第7章 選挙!
著者等紹介
石本伸晃[イシモトノブアキ]
1965年福井県生まれ。横浜市立大学文理学部仏文科卒業。大学在学中にフランスのモンペリエ大学に1年間留学。89年インドスエズ銀行入行、91年ドイツ銀行入行、94年ケミカル銀行(現JPモルガン・チェース銀行)ヴァイス・プレジデント。2000年司法試験合格。2002年川田悦子衆議院議員の政策担当秘書に就任。現在は弁護士として活動中
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感想・レビュー
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shk
4
仕事で議員や秘書に接することが増えたので、勉強のため読んでみた。無所属議員の政策秘書をしていた作者が、経験を踏まえて肩肘張らずその世界を紹介する。外資系出身かつ秘書を勤めた期間も短かったからか、議員秘書の世界に浸からず半分外部者のような視点で書かれているのが新鮮。三権分立の理想と離れた現実の制度や、本来国民に監視されるはずが国民を監視する永田町。地下茎のような権力。重くならずにさらっと、そのような視点を示してくれる。2021/12/24
ゆきまさくん
2
司法試験に合格し、政策担当秘書資格を得て、国会議員の政策担当秘書職に就いた石本伸晃氏の本。国会議員の秘書の仕事の数々、秘書からみた国会の仕組みや動き、役所の動向、選挙がわかりやすく書かれている。もちろんこれがすべてではなく、秘書の仕事に限りはないが、おおまかな概要がつかめると思う。国会用語が読む人向けにわかりやすく書かれている。15年も前に書かれたものだが、今でも十分参考になる。2019/12/14
a19
2
「真理がわれらを自由にする」という国会図書館の壁に刻まれた言葉からこの本は始まる。筆者は外資系銀行時代に司法試験に合格し、弁護士にならず政策秘書になった経歴の持ち主。2002年に無所属の衆院議員川田悦子の政策秘書として経験した仕事について書かれている。2013/06/02
しもちゃん
1
仏文科→外資系金融→司法試験合格の異色の経歴を持つ筆者が経験した国会議員政策担当秘書時代の体験談を綴った本。使えていた議員が野党系無所属だったという特殊性はあるにしろ、陳情対応や質問作成時における官庁との駆け引き等のエピソードは興味深かった。2020/10/29
Masa03
0
秘書がやりました。 この言葉に説得力を感じる国民がどれほどいるのだろうか。おそらく誰一人いないだろう。言った政治家本人も含めて。 しかし、数々の疑獄のスケープゴートにされてきたせいで、政治家秘書は汚い仕事をするのだと思ってしまっている国民は少なくないはずだ。 もちろん事実はそうではない。 いや、そういう泥を呑むような仕事も確実にあるだろう。だがそれだけではない。 しかし、辻元清美の秘書給与問題…(ブクレコからインポート、全文はコメントに掲載されています)2013/05/21