内容説明
わが国初の民間マンションが分譲されてから、マンションの歴史は半世紀に達しようとしている。この間、マンションは都市での生活スタイルを大きく変え、従来の戸建住宅にはなかった利便性と快適性を生み出してきた。その反面、さまざまな問題も発生し、なかでも阪神淡路大震災によって大きくクローズアップされた建替え問題は、深刻なものとなっている。区分所有法と管理組合、劣化現象と修繕など、多方面から問題に光をあて、マンションにおける集住と都市居住のこれからを考える。
目次
第1章 マンションの歴史とさまざまな課題
第2章 マンション問題と司法の考え方
第3章 マンション犯罪と事件
第4章 マンションの法律と管理組合
第5章 マンション供給と寿命
第6章 マンションの劣化現象と修繕
第7章 建替えとマンションの終末
著者等紹介
藤木良明[フジキヨシアキ]
1941年三重県生まれ。65年名古屋工業大学建築学科卒業。現在、愛知産業大学教授、工学博士
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感想・レビュー
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bandil
1
マンション管理について多くの紙幅を割いている書。管理状態が良ければ、マンションは巷間思われている以上に寿命が長いことが理解できる。管理次第なので一概に述べることができず、この点が歯切れの悪い印象を与えるが、やたら危険を煽る本よりも余程好感が持てる。マンションも人間もメンテナンスが大切。マンションが生き物のように思えてくる良書です。2015/03/28
noritsugu
1
著者は大学教授らしく、最初歴史から解説するなど、なかなか堅めの内容。2012/03/06
Hisashi Tokunaga
0
コンクリートの劣化が鉄筋との相乗で加速されるプロセスが簡潔に書かれている。では、どういう素材がベストなんだ?「家産」としての住居価値を認めないのなら、市民レベルでの価値(=「市産」)を認め、公共性を付与して長寿命住宅化のインセンティヴを働かせては?(2013・3記)
伊東
0
参考書