平凡社新書
取調室の心理学

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  • サイズ 新書判/ページ数 210p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582852264
  • NDC分類 327.63
  • Cコード C0232

内容説明

本書で扱うのは「冤罪の過ち」である。なぜ被疑者・被告人はやってもいないことを「やった」と言ってしまうのだろうか。なぜ私たちはその「嘘」を見抜けないのだろうか。「過ちの現場」となる取調室で何が起こっているのだろうか。心理学者として供術証拠の真偽を鑑定してきた著者が探る「取調室の謎」と「過ちの構造」。

目次

第1章 取調室の謎―広島港フェリー甲板長殺し事件(新聞報道の背後で;手書きの自供書 ほか)
第2章 確信が証拠を生み出す―小さな事件から(無実の被疑者を追い詰める構図;生み出される「過去」―日常のなかの事件 ほか)
第3章 「証拠なき確信」に巻き込まれた画家―帝銀事件(戦後最大の毒殺事件;疑惑が確信を生み、確信が証拠を作り出す ほか)
第4章 知的障害の男が舞台に押し上げられて―野田事件(1)(陰惨な少女わいせつ殺人事件;青山正さんの逮捕 ほか)
第5章 証拠偽造の疑惑―野田事件(2)(取調室のすき間から洩れ見えたもの;証拠偽造の可能性 ほか)

著者等紹介

浜田寿美男[ハマダスミオ]
1947年香川県生まれ。京都大学大学院文学研究科(心理学)博士課程修了。専攻は発達心理学および法心理学。現在、奈良女子大学文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おいしゃん

35
心理学、というほど深い話はないが、過去の事例をもとに不実の自白と冤罪が生まれる過程を紹介している。もともと証拠に乏しく、密室の取調室で生まれた冤罪のため、結局何が真実なのか当事者以外誰もわからず、歯切れの悪い文体になるのもやむを得ないか。2018/10/11

アルクシ・ガイ

4
「捕まったら終わり」これは真実だ。警察側に証拠を仕込まれたら、為すすべはない。取調室はやってもいない殺人さえ自供を引き出すブラックボックスです。ましてや証人の証言なんて、いかようにも曲げられる。証拠があるから、証言があるから、冤罪はあり得ないと吠えるネット住民にも是非読んでもらいたい。2019/08/20

リョウ

3
出発点は証拠に裏付けられた確信ではなくただの捜査官の勘。しかしそれが捜査官の中で証拠なき確信に変わってしまうとそれに反する証言や証拠が見つかったとしても大したことのないものとして無視されてしまうし、挙げ句の果てには、その確信の沿った証拠が見つからなければ証拠を作り出してしまう。この本の当時には証拠を作り出すと言うことはただの想像に過ぎなかったかもしれないけど、現実に証拠を作り出すと言う事件が起こった今となっては本当にリアリティのある話になってしまった。2011/05/20

takizawa

3
冤罪問題について考えるプロジェクト第三弾。『自白の心理学』が自白をしてしまう被疑者の心理について書かれていて,『裁判官はなぜ誤るのか』が裁判官サイドからみた冤罪事件だとすると,本書は捜査機関が冤罪を作り出す過程について心理学の見地から分析する。重点は,犯人だと決め付けてから後付けで証拠を探すのだ,ということ。「科学的理論的な話を期待していた人をがっかりさせてしまうかも」というような記述があるが新書なのだし全く問題ないと思う。2010/04/24

加藤久和

2
警察や検察の取調室で何が行われているかを公に晒さなければ冤罪は防げない。本来中立であるはずの裁判官は公務員仲間である警察検察寄りに大きく傾いている。冤罪があるということは片方で罪を犯した者が逃げおおせている訳で二重の意味での不正義だ。まだ学問的に確立されたものではないかもしれないが著者の取り組む供述分析が冤罪防止に功を奏することを願う。それにしてもこの本で取り上げられている野田事件の酷さには言葉を失う。日本の刑事行政はいまだに江戸時代にいるようだ。2018/11/17

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